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[ G20大阪サミット vol.1 ]G20大阪サミットに向けた日本の市民社会組織(CSO)の挑戦

連載2018.11.21

2019年6月に開催されるG20大阪サミットに向けて、今年6月に設立された「2019 G20サミット市民社会プラットフォーム」。日本の地域別・テーマ別のNPO・NGOのネットワーク団体を中心に42団体が加盟する。(2018年11月19日現在) 市民社会の声が反映され、2030アジェンダが掲げる「誰ひとり取り残さない社会」の実現にG20が貢献できるよう議長国である日本政府を含むG20各国政府に働きかけていく。

20カ国・地域の首脳が集まり、世界の政治や経済、外交について話し合われる「G20サミット」が来年、日本で初めて開催される。NGOなど市民社会組織(CSO)にとってどういう機会となるのか。6/28-29で大阪で開催されるサミット本番までの活動を連載を通して追っていく。


G20は世界経済の85%を占める大きな存在に

G20とは、Group of Twentyの略で、主要国首脳会議に参加する7カ国(G7)に加え、EU、ロシアおよび新興国11カ国(アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、オーストラリア、中国、韓国、インド、インドネシア、サウジアラビア、トルコ、南アフリカ)を加えた、計20カ国・地域から成るグループである。G20サミットは、正式名称「金融・世界経済に関する首脳会合」(Summit on Financial Markets and the World Economy)の文字通り、G20の首脳による金融と世界経済に関する会合を指し、金融サミットとも呼ばれる。もともと1999年より、G20の財務大臣、中央銀行総裁や国連機関による国際金融問題を議論する会合が毎年開催されてきたが、2008年のリーマンショック以来、首脳による会合も開始された。

G7の影響力が相対的に小さくなる中で、新興国を含めたG20は、今では世界経済の約85%、人口の約65%、国際貿易の約75%、グローバル投資の約80%を占める。従って、そこで決定される方針や宣言は世界の経済や市民の生活に大きな影響力を与え得るものとなり、市民社会としても、G20に対して働きかけを行うことは極めて重要になってきたのである。

C20は、市民社会の声をG20のリーダーに届ける貴重な機会

サミット開催は各国が持ち回りで担当し、本年はアルゼンチンが議長国を担い、11月30日、12月1日に首都ブエノスアイレスで開催される。これに先駆け、C20(Civil 20)サミットが8月6日、7日に開催された。

C20とは、G20が対話の相手として公式に指定した7つの民間団体グループ「エンゲージメント・グループ(EG)」の一つで、市民社会(Civil Society)によるグループを指す。G20で議論されるアジェンダと可能な限り対応させた8テーマのワーキンググループを持ち、G20サミットに向け政府に対し意見交換や議論を通した政策提言を行い、サミット本番前に開催するC20サミットで議長国の代表である首相・大統領などと面会し、提言書を手渡す。

ブエノスアイレスの外務省迎賓館で開催されたC20サミットには、世界から約200名のCSOリーダーや政府関係者等が出席した。ハイライトは、何と言っても、来年大阪で開催されるG20サミットに向け市民社会の声を取りまとめる「2019 G20サミット日本市民社会プラットフォーム」の共同代表である岩附由香氏がC20、市民社会を代表し、サミットの冒頭、マクリ大統領に「政策提言書」を手渡したことである。この手渡した提言書こそが、8つのワーキンググループを中心に、1年近くの間、世界のCSOが会議とオンラインで徹底的に議論した成果なのである。

アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領(写真左)に政策提言書を手渡す、「2019 G20市民社会プラットフォーム」で共同代表を務める岩附由香氏(写真中央)。

日本の市民社会の取り組みがスタート

2019年は日本が初めての議長国となり、6月28日、29日に大阪で開催される。これを受け、今年6月19日に「2019 G20サミット日本市民社会プラットフォーム」(以下、市民社会PF)が立ち上がった。

「2019 G20サミット日本市民社会プラットフォーム」設立同日に開催された記念シンポジウムには、日本のCSO関係者約70名が集まった。

シンポジウムには、歴代C20の国際諮問委員会の構成員を務めてきた国際NGO CIVICUSのダニー・スリスカンダラヤ事務局長が登壇し、日本の市民社会にメッセージを伝えた。

この組織は、C20推進のための日本の市民社会組織であり、C20の国際的な枠組みである運営委員会や運営委員会にアドバイスを行う国際諮問委員会等にも対応することを念頭に置いた構造とした。トップには、共同代表として、岩附由香氏(ACE 代表)と三輪敦子氏(ヒューライツ大阪 所長)、国際連携委員会議長に若林が就任した。

共同代表の岩附由香氏(ACE 代表/写真左)、三輪敦子氏(ヒューライツ大阪 所長/写真右)。

また共同代表の下に9つの幹事団体が選出され、意思決定の役割を担う。さらにそれぞれのワーキンググループが配置され、日本のコーディネーターが国際コーディネーターと一緒にワーキンググループを運営していくことになる。

C20サミットに向けた日本の市民社会の課題

2019年6月末の大阪G20サミットの開催をにらみ、4月21日-23日に東京でC20サミットを、G20本番直前には関西のCSOと協力し「G20大阪市民サミット(仮称)」を大阪で開催する予定である。

12月に発表予定の日本政府が力点を置くテーマは、恐らく①科学技術イノベーション、②国際保健、③女性活躍を含めたジェンダー、④防災・減災、⑤海洋プラスチックごみなどの環境問題や地球温暖化、⑥持続可能な観光等であろうか。市民社会PFとしては、本年のC20のワーキンググループの枠組みを引き継ぐかたちで、以下の9つのワーキンググループを構成予定だが、最終的には日本政府が提唱するアジェンダとの調整になるだろう。また、SDGsの達成に向け、横断的な課題としては、人権侵害や市民社会スペースの狭まり、科学技術の発展による生活や雇用への影響等への取り組んでいくことになろう。

1. 反腐敗(Anti-Corruption)
2. 国際金融の構造(International Financial Architecture System)
3. 教育・雇用・包摂(Education, Employment and Inclusion)
4. 環境・気候・エネルギー(Environment, Climate and Energy)
5. ジェンダー(Gender)
6. インフラ(Infrastructure)
7. 国際保健(Global Health)
8. 地域から世界へ(Local2Global)
9. 貿易と投資(Trade and Investment)

12月1日にアルゼンチンG20が終わると、正式にC20のバトンが市民社会PFにわたる。それまでにさまざまな準備を進めるものの、4月のC20サミットまで残された時間は短い。登録されている世界のCSOと議論する言語は英語であり、最終的に英文の提言書を作成することになる。それまでに日本や海外の新たなCSOの参加を得て、どれだけ活発な議論を踏まえた政策提言書をまとめられるのか、大きなチャレンジである。

SDGsの時代になり、社会課題のボーダレス化が進む中で、国内と海外、途上国と先進国、南と北等で分ける、地理的・政治的な意味は薄くなってきている。これまでのG7、G8の取り組みでは、国際協力に関わるNGOが中心的な役割を果してきたが、国内課題に取り組むNPOにもC20のプロセスに積極的に関わっていただきたいと思っている。国内課題が世界の課題にも通じ、SDGsの達成に向けて、日本のNPOの果たせる役割は大きい。

日本の市民社会にとって、これまでの積み上げてきたC20の継続性を大切に、さらに取り組みを強化し、G20により大きな影響力を発揮すべく努力することは国際的な責任である。個々のCSOにとって、目に見える短期的な利益は少ないかもしれないが、中長期的には、間違いなく日本や世界の市民社会の存在感を高め、平和で持続可能な社会への発展につながるはずである。まずは一人ひとりが社会課題に関心を持って、2019 C20の扉を開けてみよう。


2019 G20サミット市民社会プラットフォーム
http://www.civil-20.jp/

連載 G20大阪サミット
vol.2 世界の市民社会組織の声はG20諸国に届くのか-30カ国400名が策定に関わった提言書の中身と期待される成果

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