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【5/21開催】セミナー:滞留する6,400億ドルものSDR(特別引出権)を開発・気候資金に!

おすすめ記事, お知らせ, 普及 2026.04.22

JANICワーキンググループ「持続可能な開発資金枠組み達成に向けた市民社会ネットワーク(JFFネットワーク)」も協力し、「セミナー:滞留する6,400億ドルものSDRを開発・気候資金に!」を開催します。

<g-taxセミナー>の第4弾を行います。今回は、SDR(特別引出権)について、です。

~日本政府は9兆円のSDRを有効活用するとき~
先進国と中国に滞留する6,400億ドルものSDRを
開発・気候資金に! 
    

◎日 時:2026年5月21日(木)午後7時~8時30分
◎場 所:Zoomで開催
◎参加申込:希望者は次のアドレスに「g-taxセミナー参加」、並びにお名前、所属を明記の上、gtaxftt [@] gmail.com までに申込み下さい。
 ⇒参加希望者に、後ほどZoomリンクを送ります。 
◎参加費:無料
◎提案者:田中徹二(グローバル連帯税フォーラム)
◎主催:グローバル連帯税フォーラム(g-tax)
◎協力:持続可能な開発資金枠組み達成に向けた市民社会ネットワーク(JFFネットワーク)

米・イスラエルのイラン攻撃(以下、米イラン戦争)により、私たちの生活はインフレの進行で厳しいものとなっていますが、とりわけ途上国においてはエネルギー・飼料不足等で深刻な食料危機(飢餓)を招く状況になっています(注1)。他方、米欧はじめ先進国側の途上国援助は歴史的とも言える縮小・削減局面に入りました。こうした中で、途上国援助のための資金調達で現実的に可能性が高いのは先進国等の「未使用のSDR(特別引出権)」です。SDRとは何か? なぜそれが援助のための資金調達として可能性をもっているのか? 等をセミナーで探っていきます。

■ 米イラン戦争:途上国で拡大する貧困と飢餓>歴史的な減少のODA

途上国においては、コロナ・パンデミック以降、激しい気候変動やウクライナ戦争に端を発する食料危機、さらに日本を除く先進国の高金利政策のため、国の債務(借金)が膨張し、その借金返済のために苦しんできました。その上、今般の米イラン戦争によってエネルギー・食料危機が格段に進行する恐れが出てきています。IMF(国際通貨基金)はこの戦争で「新たに4500万人が食料不安に直面し、飢えに苦しむ人は3億6000万人を超える見通し」(2026年4月10日付ロイター通信)と指摘しています。

2000年の国連ミレニアム総会以来20年にわたり、先進国はODA(政府開発援助)のGNI比0.7%拠出に努力してきましたが、昨年「歴史的な減少」とも言えるほどODAが前年度比23.1%減少の1,743億ドルになる見込みとなりました(注2)。これは米国が援助予算を驚異的に56.9%も削減し、さらにEU諸国も援助予算を大幅に削減したからです。我が国も円安もあり2年続けて減少しています。

もとより援助国側に住んでいる私たちの生活も厳しい状況になりつつありますので、ODAを飛躍的に増加せよ、あるいは国際連帯税などの新税で途上国を援助せよという要求は、なかなか社会的に通り難い現実があります(が、投機筋による円安攻撃を阻止を図るという政策を併せもつ通貨取引<連帯>税は必要)。では、途上国援助の道はないのでしょうか? 国の予算(一般会計)を通すことなく、また新税を施すことなく、途上国援助のための資金調達を図ることができるという方策があります。それは SDRの一般配分またはチャネリング(融通)という方法です。

■ 2021年IMFは6,500億ドル相当のSDRを配分>が、低所得国にはわずかしか配分されず

このSDR(特別引出権:Special Drawing Rights)ですが(注3)、簡潔に言いますと、IMFが1969年に加盟国の公的準備金(対外債務返済や為替介入などへの備え)を補完し、世界の金融体制を安定させるための資産として各国に配分したものです。厳密には通貨ではありませんが、加盟国が外貨不足等に陥ったときに、「ドルやユーロなどの主要通貨と引き換えることのできる『権利』」を持っています。いわばIMFが加盟国に配分する「仮想の国際準備資産」と言えます。

詳細は省きますが、歴史的経緯として、SDRはその役割を十分果たすことができず(国際金融市場からドル等の借入が容易になったこともあり)、半世紀余り過ぎましたしたが、俄然注目される事態が訪れました。それは2020年以降のコロナ・パンデミックにより世界的に流動性が失われた時です。とくに途上国ではワクチン購入もままならず深刻な経済的・社会的ダメージを被る事態となり、ここでIMFは(遅れながらも)2021年に6,500億ドル(約71.5兆円)相当となる4,656億SDRを加盟国に配分しました(1SDRは1.44ドル、229.60 円 4月21日現在)。

ところが、SDR配分はIMFクォータ(出資割当)に比例して行われるため、高所得国に60%以上の約4,000億ドル相当、中所得国に30%以上の約2,120億ドル相当、そしてもっとも打撃を受けている低所得国にはわずか3%の 約210億ドル相当しか配分されませんでした。それでも低所得国はSDRを活用し、ワクチン購入始めコロナ対策や債務の返済に充てることができた、という経緯があります。

一方、低所得国にわずかにしか配分されないのでは本来の主旨から外れるため、IMFは高所得国に配分されたSDRの一部を自主的にIMFが設立した途上国融資のための2つのトラストにチャネリング(融通、再配分)することを奨励し、日本政府は率先してこれに応じました。ともあれ、単純にクォータ比率で配分すると、最も必要とする低所得国には少なくしか配分されないという矛盾を現行のシステムは有していることが確認されてきました。

■ 6,400億ドル(約100兆円)相当ものSDRが高所得国に滞留したままに

ところで、高所得国に配分されたSDRはどうなっているかというと、基本的に流動性資産として活用されることはなく、その国の中央銀行または財務省のバランスシート上に載っているだけ、つまり塩漬け状態になったままになっています。高所得国は流動性危機が発生しても基本的に自国で保有している外貨準備で対応できるし、実際ドルなどが不足した場合には、米国の中央銀行から無制限にドルを借りるスワップ協定を結んでいるので、SDRの出番はそもそもありません。

では、高所得国(先進諸国+中国)にどれだけSDRが塩漬けとなっているのでしょうか? 何と約4,500億SDR、つまり6,400億ドル(約100兆円)相当が溜まっています(2025年10月時点)。こうした高所得国でのSDRの非効率な存在に対して、国連関係の国際会議では次のような提言がされています。

*「我々は、システミック・ショックに脆弱な世界において、特別引出権(SDR)がグローバル金融セーフティネットの強化に果たす役割と、グローバル金融の安定化への潜在的な貢献を認識する」(2024年9月国連未来サミット「未来のための協定」)

*「我々は、…可能な国々に対し…SDRの流動性および準備資産としての性質を維持しつつ…SDRの少なくとも半分を開発途上国へ自主的に再配分するよう要請する」(2025年7月国連開発資金国際会議「セビリアの約束」)

ちなみに、日本のSDRは3月末現在で約604.5億ドル相当(約9.6兆円 約419.8億SDR)あります。先に述べたように、すでに日本は2021年に配分されたSDRのうちの40%をチャネリングし、加盟国の中で最大の拠出ということで国際的評価を高めました。ところが、日本の準備資産である外貨準備は1兆3,747億ドル(218.3兆円)もありますので、為替介入等で必要となる流動性につきSDRをほとんど活用することはありません。従いまして、上記「セビリアの約束」で要請している保有SDRの半分、4~5兆円を途上国援助として拠出することは可能ではないでしょうか。

しかしながら、現在のIMF・SDR制度の中で、途上国へとチャネリングするにはIMFの「貧困削減・成長トラスト(PRGT)」と「強靭性・持続可能トラスト(RST)」という2つの基金を通すしか道はありません(現在アフリカ開発銀行などの地域開発銀行を通す道も開かれたが、具体的に動いてはいない)。

いずれにしましても、活用することなくバランスシートに滞留しているだけの莫大な額の高所得国のSDRの存在は、非効率そのものの実に馬鹿げた仕組みの結果です。先の「セビリアの約束」でも「危機やショック発生時におけるSDRの役割を強化(するための)SDRプレイブックの策定を検討すべき」と訴えています。米欧のODAなど援助資金の驚くほどの削減や米イラン戦争で、低所得国はじめ非産油国の中所得国などで桁違いの飢餓と死者を出す恐れがあり、文字通り危機やショック発生時の時を迎えようとしています。IMFは今や2021年に引き続いてSDRの一般配分を、遅滞なくかつ最貧国や脆弱国に有利になるような形で実施すべきではないでしょうか。IMF協定では5年ごとに配分の見直しを行うことになっており、本年は前回からちょうど5年目に当たります。

(注1)【日経新聞】迫る食料危機の足音 世界の肥料価格5割高、ホルムズ海峡ショック

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD312J80R30C26A3000000/ 

(注2)【OECD】対外援助の歴史的な減少:2025年ODA暫定データ

https://www.oecd.org/en/data/insights/data-explainers/2026/04/a-historic-decline-in-foreign-aid-preliminary-2025-oda-data.html

(注3)【国際通貨基金】特別引出権(SDR)

https://www.imf.org/ja/about/factsheets/sheets/2023/special-drawing-rights-sdr 

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