2023年1月10日
特定非営利活動法人国際協力NGOセンター
理事長 鬼丸昌也
法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律の制定をうけて
非営利セクターの寄付倫理に関する声明
2022年12月10日に成立した「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律」の成立に先立ち、当センターは2022年11月14日付で「『寄付規制法案』に対する緊急声明」を発表しました。緊急声明では、霊感商法等の被害者救済に取り組むことを求めつつ、寄付行為を一律に規制することは実態になじまないことを指摘し、寄付者・NPO・NGO等の当事者を交えた丁寧な議論を行うことを提言しました。
その後、非営利セクター4団体*とともに、寄付一律規制に慎重な議論を求めるためのオンライン署名活動や緊急集会を開催し、多くの皆様とともに意見交換を重ねてまいりました。署名にご協力いただきました皆様、ご関心をお寄せいただいた皆様に御礼を申し上げます。
まずは、法律制定によって、被害者救済が進むことを期待し、また被害者救済と人権確保が進むように、非営利セクター全体として取り組んでいく所存です。
また、本法の運用について、所轄庁から示されるガイドライン等を注視しつつ、市民による寄付行為や公益活動が萎縮しないように、様々な団体とともに情報発信や対応に努めてまいります。
同時に、法律制定を受け、JANICは国際協力NGOのネットワーク組織として、自らと当センターの会員団体を含む非営利団体のより一層、透明性の高い組織運営を推進するとともに、非営利団体における寄付倫理を高める取り組みを、積極的に行ってまいります。
具体的には、当センターの会員を含む非営利団体を対象に、寄付倫理、リスク管理、コンプライアンス順守などに関する勉強会の開催、また寄付倫理に関するガイドライン等の新たな設置と推進を通じて、非営利セクターの寄付倫理の向上に務めていきます。
寄付行為は国際協力NGOをはじめとする非営利セクターの活動を支え、市民が社会課題解決に関わることができる重要な手段の一つです。本法律の制定が、健全な寄付行為の進展につながったと、将来において言われるように、議論ならびに行動を続けていきます。
*特定非営利活動法人新公益連盟、特定非営利活動法人セイエン、特定非営利活動法人日本NPOセンター、特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会