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4年目の国連SDGsレビュー会合で、目標16(平和と公正)が初めてレビュー対象に

AUG.27.2019

4年目の国連SDGsレビュー会合で、目標16(平和と公正)が初めてレビュー対象に

2019年7月9日から18日まで、ニューヨークにある国連本部にて、「持続可能な開発のためのハイレベル政治フォーラム(以下、HLPF) 」が開催されました。HLPFは、2015年のSDGs採択以降、SDGsのグローバルレベルのレビューを行うために設けられた会合です。市民社会の視点から、今年のHLPFおよびその周辺でどのような議論が交わされたのか、報告します。

HLPFには、4年に1回開かれる首脳級会合と毎年1回開かれる閣僚級会合があり、今年は両会合が開催されます。今回の閣僚級会合では、「自発的国別レビュー(Voluntary National Review / VNR)」と呼ばれる、国連加盟国が自発的にSDGsの進捗状況を報告する取り組みが特徴で、今年は47カ国が報告を行いました。日本政府は2017年のHLPFにて岸田外務大臣(当時)が発表しています。

HLPFでは毎年複数のSDGs目標がレビュー対象となっており、今年は、毎年レビューされる目標17(パートナーシップ)に加え、目標4(教育)、8(ディーセントワーク)、10(不平等)、13(気候変動)、16(平和と公正)の5つが対象でした。

JANICとして注目したのは、今年のレビュー対象に目標16「平和と公正をすべての人に」が含まれていることです。目標16は、暴力の撤廃や法の支配、不正な資金や武器の流通の削減、腐敗の防止、効果的で透明性のある機関・組織、包摂的で参加型の意思決定、情報へのアクセスなど、SDGsの他の目標の達成を下支えする重要な目標であり、“SDGsの推進役”とも呼ばれています。しかし、今回のHLPFでは、目標16の達成が程遠い状況であり、より一層の努力が必要であることが確認され、女性・若者・子どもなど多様なステークホルダーを意思決定に参加させることの重要性や、そのための適切な資源配分について議論が行われました。

また、開催期間中は、レビューされる目標に関連したさまざまなサイドイベントが開催されました。これらのサイドイベントでは、市民社会組織や人権活動家への弾圧が世界中で高まっていることを念頭に、「SDG採択から4年が経過し、目標16はむしろ後退している」との発言もありました。

目標16に関連するサイドイベントでは、多くの国の市民社会が参加した。

JANICが共同事務局を務める「2019 G20サミット市民社会プラットフォーム」も、「G20とSDGs」というサイドイベントを開催し、レビュー対象となった目標ごとに、G20での議論がSDGsという文脈でどのように評価できるのかを紹介しました。その中で、今回のレビュー対象である目標16については、子どもへの暴力防止という観点から、「Global Partnership to Ending Violence Against Children」という世界的な取り組みに、より多くのG20諸国が関与するよう提言しました。

2019 G20サミット市民社会プラットフォーム主催のサイドイベントでは、G20大阪サミットに向けて市民社会はどのような提言を行ったのか紹介しました。

市民社会の間では、国連が設定する目標16の指標(indicator)では、その進捗を適切に測るには十分ではないとし、自発的に補完的な指標を設定する動きも見られます。また、政権に批判的なジャーナリストの犠牲者数など、市民社会だからこそ得られるデータの生成・収集や、モニタリング報告書の執筆を進めるネットワークもあり、今年9月に開催される首脳級会合において、アジア11カ国での目標16進捗報告書が発表される予定です。

日本政府は、今年12月に開催する「持続可能な開発(SDGs)推進本部」の会合にて、2016年に策定した「SDGs実施指針」を改定する予定です。この改定に向けて、現在、SDGs市民社会ネットワークを中心に提言を作成しており、JANICも目標16および17の分野で、関わっていく予定です。その際には、SDGs実施指針がどの程度達成できているかを、客観的に把握することが重要となります。SDGsの達成が目前なのか、道半ばなのか、もしくは、まったく進んでいないのか、正確な把握が必要とされています。

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