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- いまこそ多国間主義の推進と市民社会との協働を: 高市早苗総理大臣就任にあたって
2025年10月30日
特定非営利活動法人国際協力NGOセンター
事務局長 水澤恵
10月21日、第104代内閣総理大臣として高市早苗・衆議院議員(自由民主党)が国会にて選ばれました。同日、高市内閣の閣僚等名簿が発表され、10月24日には第219回国会において内閣総理大臣所信表明演説を行いました。
国内外において国際協力活動を行う非政府組織(NGO)および市民社会組織(CSO)のネットワーク団体として、国際協力NGOセンター(JANIC)は以下のコメントを発表します。
戦争・紛争・気候危機・感染症など、多種多様な複合危機の時代に、高市政権は多国間主義を掲げ、日本と世界の課題を解決するために尽力されることを求めます。その点で、所信表明演説において表明された、物価高対策、危機管理投資、食料安全保障、エネルギー安全保障、健康医療安全保障などの諸政策が着実に実行されることを望みます。外交・安全保障分野においては、防衛力だけに頼るのではなく、開発協力の積み重ねと政府開発援助(ODA)の拡充を行うことで、バランスの取れた政策を実行してください。
排外主義と決別し、偽情報や誤情報への対策とともに、多様なルーツを持つ人々がともに暮らす「多文化共生」社会の実現を目指してください。
近年の内閣と比べても引けを取らない数の女性大臣・副大臣・大臣政務官を任命されたことは評価できるものの、高市総理大臣がかねて主張されていた「北欧諸国並み」には程遠い現状です。ジェンダー平等をあらゆる階層で実現するためにも、行政・立法・司法でのさらなる女性登用を期待しています。
2025年の「最も暑い夏」を経て、気候変動に由来する災害も国内外で多発しています。所信表明演説では触れられなかった地球温暖化と気候変動への対策に日本の知見も大いに広め、注力する必要があります。国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)は11月にブラジル・ベレンで開催されます。ぜひ日本の内閣総理大臣として出席をお願いします。
今年は広島・長崎にアメリカ軍によって原子力爆弾が投下されてから80年が経過しました。また、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受賞してから1年が経ちます。世界中の多くの被爆者の願いは核兵器の廃絶です。そのための一歩として、核兵器禁止条約への参加を決断してください。
NGO・CSOは世界各地で、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて様々な分野で活動しています。私たちは、日本政府の政策をより良いものとし、誰ひとり取り残さない、持続可能な社会を形作るために、その知見と経験を提供する用意があります。
(以上)
JANIC正会員団体
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