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【活動報告】第12回持続可能な開発に関するアジア太平洋フォーラム(APFSD)

おすすめ記事, 提言 2025.03.12

(写真:「バンコク・コンサルテーション」の様子)
 
SDGsのフォローアップを地域レベルで行い、ハイレベル政治フォーラム(HLPF)にインプットするための国連会議「第12回持続可能な開発に関するアジア太平洋フォーラム(APFSD)」が2月22日から24日にかけてタイ・バンコクの国連本部で開催され、アジア・太平洋地域から多くの市民社会関係者も参加しました。JANICからはシニアアドボカシーオフィサーの堀内葵がさんかしました。
 
国連本会合に加え、さまざまなサイドイベントが開催され、地球規模課題の解決に向けた提言や戦略を市民社会関係者の間で検討する機会となりました。その一つが、バンコク市内のホテルで開催された「2025年のグローバルアジェンダに関するバンコク・コンサルテーション」です。
 
同会合は、毎年7月に米国・ニューヨークで開催される「国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)」で国連加盟国が発表するSDGs進捗報告書「自発的国別レビュー(VNR)」の作成プロセスへの参画や、2025年6-7月にスペイン・セビリアで開催される「第4回開発資金国際会議」、11月にカタール・ドーハで開催される「第2回社会開発サミット」、6月と11月にそれぞれ首脳会合が開催されるG7サミットおよびG20サミットに対する働きかけなど、SDGs達成のための様々な機会に関わっている各国の市民社会の活動状況を報告し、共通の課題の認識や優良事例の発掘、共同でのアドボカシー機会を模索することなどを目的として開催されました。
 
主催は以下の6団体です。それぞれアジア地域もしくはグローバルな市民社会の連合体であり、多様なネットワークによる取り組みを共有する機会となりました。
 
1. Action for Sustainable Development(A4SD)
2. Asia Civil Society Partnership for Sustainable Development(APSD)
3. Asia Development Alliance(ADA)
4. Asia Futures Forum (AFF)
5. Global Summit Watch
6. Global Call to Action Against Poverty(GCAP)
 
これらのうち、「Asia Development Alliance(ADA、アジア開発連盟)」には、JANICおよびSDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)が、6の「Global Call to Action Against Poverty(GCAP)」にはSDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)が参加しています。また、5の「Global Summit Watch」にはJANIC/THINK Lobbyの堀内葵が共同運営者として関わっています。
 
「バンコク・コンサルテーション」では、2025年にVNRを発表するアジア各国のうち、バングラデシュ、インド、カザフスタン、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピンの市民社会による報告が行われ、日本からはSDGs市民社会ネットワークを代表して教育ユニット幹事を務める三宅隆史さん(教育協力NGOネットワーク / JNNE)が登壇しました。SDGs市民社会ネットワークとして複数回に渡って外務省と意見交換を重ねてきたことや、SDGs推進円卓会議構成員を通じた提言、市民社会の視点からSDGsの進捗評価と提言を行った「SDGsスポットライトレポート」の発表、3月に予定されているVNRに関するパブリックコメントへの参加呼びかけなどについて報告がありました。
 
JANIC/THINK Lobbyの堀内からは、カナダ政府が議長国を務める2025年のG7サミットに対して市民社会の立場から政策提言を行う公式エンゲージメントグループである「Civil7(C7)」について報告しました。今年のC7は「気候・エネルギー・環境」、「経済正義」、「人道行動と平和」、「持続可能な開発」の4つのワーキンググループに分かれて政策提言書を作成しており、3月4日には幅広い市民社会からの意見を集めるグローバル・コンサルテーションが予定されており、4月14-15日にオタワで開催されるC7サミットで最終化されることなど、今後のスケジュールを紹介しました。
 
米国のトランプ大統領による海外援助の停止や、イギリス・スターマー首相によるODAの大幅な削減の発表、政権交代が予定されているドイツなど、世界最大の経済規模を誇るG7各国が対外援助政策の方針転換を進めつつあります。気候危機がかつてないほど進行し、世界各地で紛争の影響が続く中、G7各国は今こそ多国間主義を守り、歴史的責任を踏まえて世界中の人々の生活向上や貧困削減、気候・環境保護などの開発課題に向き合うべきです。今回のAPFSDではそのことを改めて確認し、アジアの市民社会とともに戦略を練る機会となりました。

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