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- 【賛同】援助システムを変革するとき:2024年の援助額速報は富裕国への警鐘
THINK Lobbyライブラリー, おすすめ記事, 提言 2025.04.17
JANICは、OECD-DACに対する政策提言に取り組む「DAC CSO Reference Group」に参加しています。このたび、DACメンバーによる2024年の政府開発援助(ODA)速報値が発表されたことに対する同グループの声明にJANICとして賛同しました。翻訳版を紹介します。
DAC CSO Reference Groupによる2024年暫定ODA数値の公表に対する反応
市民社会組織(CSOs)はすでに、昨年から多くの援助国によって発表されてきた援助削減の劇的な影響について警告を発してきたが、今年初めの米国の援助削減は、状況をさらに悪化させている。昨日、OECD DACは2024年の政府開発援助(ODA)の総額を2,121億ドルである、と発表した。
援助国は1970年以来、国民総所得(GNI)の0.7%を援助に費やすことを約束してきたが、この最低目標を何度も達成できず、昨年はOECD DAC加盟国の総GNIの0.33%にしか達しなかった(前年の0.37%から減少)。援助にGNIの0.7%以上を割り当てているDAC加盟国はわずか4か国(デンマーク、ルクセンブルク、ノルウェー、スウェーデン)である。紛争、貧困と不平等の拡大、気候変動危機に直面する世界において、GNIの0.7%という目標は、最も高い代償を払っている人々を支援するために富裕国がなすべき最低限のこととして扱われるべきである。
OECD DACはODAの定義を薄め、貧困根絶や経済的福祉といった本来の範囲外の貢献も計上してきたため、ODAは援助の尺度として議論の的になっている。CSOsは、援助国コミュニティが単独で援助の計上方法を変えていること、また援助ガバナンス構造が、こうした政策の影響を最も大きく受けているグローバル・サウス(南側諸国)に対して、著しい権力の不均衡をもたらしていることに、長らく批判的であった。一方、後発開発途上国(LDC)に対するODAは350億ドル(GNIの推定0.05%)にしか達しておらず、ドナー国のGNIの最低0.15%から0.2%という約束をはるかに下回っている。サハラ以南のアフリカへの援助は360億ドルに減少した。
我々が目の当たりにしている援助状況の地殻変動は、援助に頼る世界中の何百万もの人々にとって、前例のない大惨事である。ドナー・コミュニティが世界の貧困層や社会的弱者をあからさまに無視してきたことは許しがたい。DAC諸国が自らの公約を守れないことは、CSOが長年指摘してきた正当性の喪失を裏付けるだけである。
世界中で武力紛争が激化する中、援助の量と質の両方を高める必要性はこれ以上ないほど高い。ウクライナへの援助がDACのODAのかなりの部分を占め続けている(全体で7.4%、19の加盟国で2023年比で上昇)のに対し、紛争に直面する人々への支援は世界中で必要とされている。
しかし、2024年の統計は、世界最大の援助供与国による今年の発表が予測し続けてきたことを明らかにしている。これは単に減少傾向であるだけでなく、援助セクター全体とそれに依存するすべての人々に対する攻撃である。
またしても、最新の援助統計は、ドナーが自らの優先順位に従って、ODAの範囲に含まれない費用をODAとして報告していることを反映している。難民受け入れ費用をODAとして報告することは、ドナー内難民費用(IDRC)とも呼ばれ、膨れ上がったODAの大部分を占めている。前年より減少したとはいえ、DAC加盟国は2024年に278億米ドル(ODA総額の13.1%)をIDRCとして報告している。
DACはこの悲惨な報道の瞬間から立ち去りたいだろうが、援助を生活の糧としている人々にはその特権はない。我々は、北側諸国の無謀な行動を放置し続けることはできない。
援助効果の原則の精神に則り、各国のオーナーシップと開発優先事項および目標との整合性が、グローバルな援助ガバナンスの鍵となる。市民社会は、長い間、現在のシステムに必要な改革を求めてきた。これらの改革は、DACの枠を超えて、援助国と被援助国の双方が対等な立場で出席する場で議論され、合意される必要がある。今年の夏、6月30日から7月3日までセビリアで開催される第4回開発資金国際会議(FfD4)は、10年に一度の機会である。この会議はまた、多国間主義と協力の重要な試金石でもある。
現在の危機の大きさを鑑み、我々は、DACとそのメンバーに対し、FfD4に向けた野心を高め、国際開発協力システムの重大な変革を支援し、グローバル・サウスのパートナーの長年の要求に耳を傾けるよう強く求める。これらの変革には、パートナー国自身の開発路線に利用可能な譲許的資金を増やし、援助に関する意思決定を拡大し、パートナー国の債務負担を悪化させない援助を優先することが含まれる。今こそ、富裕国が自らの役割を果たし、持続可能な変化に対する無益な反対を終わらせるときである。
現在の援助システムは激動の中にある。しかし市民社会は、国際公約を遵守し、最も弱い立場の人々に奉仕し、誰一人取り残さない、人権に基づいた透明な援助体制を求めて結集し続けるだろう。今こそDACは、変化を求める世界的な声に目を覚ます時である。
賛同団体:
JANIC正会員団体
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