米国・イスラエルによるイラン攻撃の即時停止と、日本政府の毅然とした対応をもとめます
2026年3月5日
特定非営利活動法人国際協力NGOセンター
理事長 鬼丸 昌也
2月28日、米国およびイスラエルがイランに対する空爆を開始し、イランもイスラエルや米軍が駐留する周辺諸国に報復攻撃を行いました。私たちはすべての当事国に対し、攻撃を停止するよう呼びかけます。
- 米国およびイスラエルによるイランに対する攻撃は、武力行使の禁止を定めた国連憲章第2条4項(「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない」)に違反しています。両国はただちに攻撃を停止し、民間人の保護と紛争の平和的解決に努めるべきです。
- 米国およびイスラエルによる攻撃は、イランとの間で続いていた核開発問題をめぐる協議が進展する最中に行われました。トランプ米大統領は、イランの体制変革を攻撃の目的に挙げています。過去、米国は「対テロ戦争」と称し、アフガニスタンやイラクで体制変革を試みましたが、それぞれの社会は大きく混乱し、多くの犠牲者を出しました。武力や威嚇によって一方的に他国の現状を塗り替える行為は認められないという原則は、米国もその一員であるG7によって、国際社会の根幹として繰り返し確認されてきたはずです。
- 核兵器保有国である米国とイスラエルには、核不拡散体制を維持・遵守する高度な道義的責任があります。たとえイスラエルが核兵器不拡散条約(NPT)未加盟であったとしても、国際的な核管理の枠組みを尊重し、地域の安定に寄与すべき責務があることは明白です。この責務に照らせば、イランの核開発問題は、国際原子力機関(IAEA)による査察に基づき、NPTのもとでの交渉によって解決されるべきです。昨年6月にカナダで開催されたG7カナナスキス・サミットでも、「協議を通じた核問題の解決の重要性」が首脳間で改めて確認されたばかりです。
- 報道によれば、イラン南部ミナブの小学校に対してミサイル攻撃が行われ、少なくとも165人の児童と職員が命を落としました。これは、武力紛争下で戦闘に参加しない文民の生命、身体、尊厳を保護する国際法であるジュネーブ条約および「学校を含めた民用物の一般的保護」を定めた第1追加議定書第52条への明確な違反であり、戦争犯罪です。
- 教育施設については、武力紛争が及ぼす影響が甚大なものであることから、攻撃や軍事拠点としての活用を禁止し、武力紛争下で教育を受ける権利を促進・保護するための「学校保護宣言(Safe Schools Declaration)」が国際的に提唱され、米国も2025年1月にこれに賛同しています。米国は「学校保護宣言」に従い、教育施設への攻撃を中止すべきです。
- 日本政府は3月1日の外務大臣談話において、イランに対して「核兵器開発及び地域を不安定化させる行動をやめるべき」と求めています。しかし、米国とイスラエルに対しては自制を求めるどころか、批判すらしていません。国連のグテーレス事務総長は、すべての国連加盟国が国際法、特に国連憲章に基づく義務を尊重すべきとして、双方の攻撃を非難し、敵対行為の即時停止を呼びかけています。
- 私たちは、高市早苗総理大臣および日本政府に対し、今回の米国およびイスラエルによるイランへの攻撃が国際法違反であるとして両国を非難するよう、強く求めます。また、外交的努力を通じて紛争を平和的に解決するよう、すべての関係国に強く働きかけることを求めます。
(以上)
【本件に関する問い合わせ先】
特定非営利活動法人国際協力NGOセンター
<janic-advocacy★janic.org>
※★を@に変えて送信してください。