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『国際協力と人権-変容する国際社会と「これから」の国際協力をみすえて-』ハンドブックの発刊

MAY.09.2022

多様な国際人権基準を紹介する『国際協力と人権』ハンドブックを発刊しました。本書は国際協力に携わる日本のNGO団体の職員、特に若手・中堅層を対象にした、国際協力と人権の入門書です。

国内社会および国際社会で人権概念に注目が集まり、また援助潮流がチャリティーから正義(justice)を巡る諸議論へと少しずつ移行する今、ますます1人ひとりの人権に対する理解が求められます。その中で本書は、人権「それ自体」を対象として、可能な限り包括的・包摂的に取り上げた点に特徴があります。
執筆には、NGO職員、大学教員、専門家、弁護士など「国際協力と人権」分野に造詣の深い16名が参加。20個のトピック①SDGs、② 貧困、③発展/開発、④女性・性的マイノリティ、⑤性とジェン ダーに基づく暴力、⑥子ども、⑦障害、⑧外国人、⑨難民、⑩先住民族、⑪強制失踪、⑫(無)国籍、⑬信教、⑭気候変動、⑮災害、⑯ビジネス、⑰デジタル、⑱市民的・政治的権利、⑲市民社会スペース、⑳人権擁護者を取り上げると共に、第二次世界大戦後の国際社会が人権を制度として位置づける大きなきっかけとなった世界人権宣言および国際人権規約の意味と意義を紹介します。

本書では、上記20個の国際人権基準を(1)持続可能な開発と人権(①~③)、(2)当事者にとっての人権(④~⑬)、(3)環境/社会と人権(⑭~⑰)及び(4)人権のスペース(⑱~⑳)の4つに分類して取り上げています。

(1)の「持続可能な開発と人権」では、国際協力にとって重要な目標であり羅針盤であるSDGs、国際協力の主要な目標の1つである貧困の問題や、発展/開発の概念を取り上げています。

(2)の「当事者にとっての人権」は、ライツホルダーに焦点を当てています。世界人権宣言や国際人権規約で各人権概念が整理されただけでは、人権を推進するには十分とは言えません。ライツホルダーである人権享有主体それぞれの課題を知るために、子ども、外国人、難民、先住民族など11個のトピックを取り上げ、その詳細な内容について検討しています。

さらに(3)の「環境/社会」では、「空間」の視点から人権について論じています。個々のライツホルダーに対して、大規模かつ複合的な影響を与える要素として、気候変動、災害、ビジネス、デジタルの問題を取り上げています。

最後に(4)の人権のスペースは、人権を推進する上で社会的基盤に焦点を当てています。人権が推進可能な社会をどのように(再)構築していけばよいのか。政治的・市民的権利、市民社会スペース、人権擁護者の問題は、いずれも人権に基づく共生社会の基礎を成す概念です。

国際社会の構成原理として、また「国家から成る社会(System of States)」を律する1つの価値体系として、人権を知るツールとしてぜひご活用ください。なお、本書は、令和3年度外務省「NGO研究会」(「SDGs時代におけるNGOの人権尊重と能力強化の施策調査・研究」)を受託し、JANICが作成しました。本書の発行にご協力いただいた皆さまに、心より御礼申し上げます。

 

『国際協力と人権-変容する国際社会と「これから」の国際協力をみすえて-』(PDF: 7.9MB)

◆令和3年度外務省「NGO研究会」関係資料
「SDGs 時代におけるNGOの人権尊重と能力強化の施策に関する調査・研究」最終報告書
「SDGs の各目標と対応する人権宣言と条約の一覧表」

※PDFのリンク先は、外務省ウエブサイトとなります。

『国際協力と人権』ハンドブック概要

名称 令和3年度外務省「NGO研究会」(「SDGs時代におけるNGOの人権尊重と能力強化の施策調査・研究」)
発行 外務省
作成 特定非営利活動法人国際協力NGOセンター(JANIC)
目次 第1節:国際社会における 人権保障重視の流れと 日本の取り組み
若林秀樹(特定非営利活動法人国際協力NGOセンター)
第2節:国際開発協力活動における人権―背景と課題
定松栄一(市川市生活サポートセンターそら/認定NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会)
第3節:基礎としての国際権利章典
寺中誠(東京経済大学)
第4節:国際人権基準の様相―広がる世界とその多様性
①持続可能な開発と人権

・「持続可能な開発と人権 SDGsの本質は人権」
若林秀樹(特定非営利活動法人国際協力NGOセンター)
・「貧困と人権」
大橋正明(聖心女子大学/一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク)
・「発展/開発の権利とCBDR」
大橋正明(聖心女子大学/一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク)
②当事者にとっての人権
・「女性・性的マイノリティの人権」
岡島克樹(大阪大谷大学/特定非営利活動法人関西NGO協議会)
・「性とジェンダーに基づく暴力 (SGBV)と人権」
塩畑真里子(開発・人道支援コンサルタント)
・「子どもの権利」
堀江由美子(公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン)
・「私たち抜きに私たちのことを決めないで」
佐藤暁子(認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ/弁護士)
・「外国人(移民)と人権」
近藤敦(名城大学)
・「難民と人権」
石井宏明(一般財団法人パスウェイズ・ジャパン(PJ)/一橋大学国際・公共政策大学院)
・「先住民族の権利」
鈴木真代(Social Connection for Human Rights)
・「強制失踪」
鈴木真代(Social Connection for Human Rights)
・「(無)国籍と人権」
秋山肇(筑波大学)
・「信教の自由」
髙橋宗瑠(大阪女学院大学)

③環境/社会と人権
・「人権問題としての気候変動」
佐藤暁子(認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ/弁護士)
・「災害・人道支援から考える人権」
大橋正明(聖心女子大学/一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク)
・「ビジネスと人権」
鈴木真代(Social Connection for Human Rights)
・「デジタル経済と人権」
内田聖子(特定非営利活動法人アジア太平洋資料センター)

④人権のスペース
・「市民的・政治的権利と人権」
角田和広(特定非営利活動法人国際協力NGOセンター)
・「世界的な市民社会スペースの狭まり」
若林秀樹(特定非営利活動法人国際協力NGOセンター)
・「人権の促進・保護のために行動する人々」
小川隆太郎(認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ/弁護士)
発行日 2022年3月
言語 日本語

【本件に関するお問い合わせ先】

特定非営利活動法人国際協力NGOセンター(JANIC)
janic-advocacy@janic.org (角田)

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