JANICでは、社会課題の解決に挑む次世代の担い手を発掘し、その挑戦を後押しすることを目的として「学生アイデアコンテスト」を例年開催しています。本記事では、3回目の実施となった2025年の成果をレポートします。
■ 応募概要と今年の特徴
2025年の募集は、6月から8月末までの約3か月間行われ、全国の学生から127件の応募が寄せられました。今年のテーマは「あなたが関心を持つグローバルな社会課題は? その解決に向けて、どんなアクションを起こしますか?」 。
今年の特徴は、応募フォーマットに実現までのステップ・スケジュール・必要な予算感なども記入する形式を採用したことです。そのため、例年以上に「実行可能性」や「社会実装」を意識した具体的な提案が多く寄せられました。
提出されたアイデアには、労働・ジェンダー・教育・平和・移民・環境・テクノロジーなど多様な分野が含まれ、学生たちが自らの視点で社会課題と向き合い、未来を構想した内容が目立ちました。
厳正な審査の結果、審査員3名とともに議論を重ね、最優秀賞・アクション賞・アイデア賞のほか入賞6組を選出しました。
■ グローバルフェスタJAPAN2025での成果発表
9月28日に開催されたグローバルフェスタJAPAN2025(外務省・JICA・JANIC共催/新宿住友ビル三角広場/来場・オンライン合計約3万人)にて、コンテストの表彰式と、それに関連した学生向けのワークショップおよびステージ企画を実施しました。
①表彰式 「未来を変えるのは、このアイデア!」
27名の観客が見守るなか開催された表彰式では、審査員から講評が述べられたあと、各賞の発表と表彰が行われました。最優秀賞・アクション賞・アイデア賞の3組はステージ上でプレゼンテーションも実施。入賞6組にも賞状が授与されました。
受賞者
賞
氏名・団体名
作品名
最優秀賞
亀山 杏佳
やさしい日本語で守る労働者の安全 〜言葉の壁から命を守る仕組みづくり〜
アクション賞
加藤 里桜
EmpowerHer(エンパワー・ハー)
アイデア賞
QUACC
QUACC
作品パネルは、フェスタ会場内にも掲示され、多くの来場者にご覧いただきました。
入賞作品一覧は公式サイトでご覧いただけます👇
https://janic-ideacontest.jp/
最優秀賞:亀山さん
アクション賞:加藤さん
アイデア賞:QUACC 吉良さん
②ワークショップ 「写真から発見社会課題 💡アイデアワークショップ」
社会課題をアートで発信するチーム LITTLE ARTISTS LEAGUE のルミコ・ハーモニー氏を講師として迎え、外務省フォトコンテストの過去受賞作品を教材に、参加者23名が「写真から見える課題」「自分にできるアクション」を話し合いました。入賞者の皆さんのほか、当日の来場者の方々も参加し、対話を通じて、課題の背景や当事者の視点に触れ、国際協力に向けて “今日からできる小さな一歩”を考える時間となりました。
ワークショップの様子
写真を見ながら議論する参加者
③ステージ企画 「―未来を動かす学生たちの挑戦!―NEXT PLAYERS アクションピッチ」
会場のメインステージでは、グローバルな社会課題の解決に向けて、実際にアクションを起こしている学生団体3組が、自分たちの活動や今後の構想を発表。NGOや企業の立場から社会課題解決に取り組むコメンテーターとの対話を通じて、具体的な助言や新しい視点を得る機会となりました。
学生たちの熱意のこもったプレゼンテーションに対し、 ▶ 会場来場者 約70名 ▶ オンライン視聴者 約80名 がリアルタイムで視聴し、多くの応援コメントが寄せられました。
🎥 当日の動画はこちら ・グローバルフェスタ公式サイト:https://gfjapan2025.jp/ ・YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=ONeSEsiteJ0
発表者の皆さん:GPTY
ALPHA
東京情報デザイン専門職大学
■ おわりに ー若者たちの挑戦を未来につなぐ
今回のコンテストと成果発表を通じ、若者たちの「気づき」「想い」「希望」「行動への意志」が、確かな言葉と形となって表現されました。彼らの姿は、来場者や視聴者にも大きな刺激と勇気を与えてくれました。JANICは国際協力のアクターが集うプラットフォームとして、こうした挑戦を今後も応援してまいります。最後に、学生アイデアコンテストにご支援・ご協力くださいました全ての皆さまに、心より感謝申し上げます。
PDF版の報告書はこちら からダウンロードいただけます。