お話をうかがったスタッフの方
事務局長 伊吾田善行さん
「国際協力は遠い世界の話と思いがちですが、世界はつながっています。まずは身近な家族、友人、隣人にやさしい気持ちをもって接することから始めてみませんか。そこから世界平和につながると思っています。そして、ボランティアはできることから楽しく参加していただければ嬉しいです。いただきましたご寄付は一円の無駄もなくアジアの子どもたちの明るい未来のために大切に活用させていただきます。」
「与えるのではなく、立ち上がる力を子どもたちに」というミッションのもとで、海外では「タイ、ミャンマー、インドで少数民族と農村部の子どもたちと女性たちの、教育と健康と自立のための支援活動を」、そして国内では「彼らから学ぶ"共に支え合う思いやりの心"を通して本当の豊かさを取り戻すことができるよう」、海外と国内の相互の地球市民社会の実現を目指している地球市民ACTかながわ/TPAK(以下、ACTかながわ)。今回は事務局長の伊吾田さんにお話を伺いました。
1991年に3人の日本人が、タイのアユタヤの僧院孤児院を訪れました。そこで目の当たりにしたのは2000人の子どもたちに対して、お世話をするのは5人の大人だけ。食事は不十分で、栄養失調、病気、不衛生な状態が蔓延している状況でした。
3人は、その悲惨な状況を見て、なぜ国が支援しないのか?と疑問に思ったそうです。聞くと、その大部分が山岳少数民族で、国籍を持っていないため、福祉サービスをうけられないので、お寺で面倒をみているということでした。
「国が何もしてくれないなら、国を超えた国際協力が必要だろうということで、このおじちゃん(会社員)、おばちゃん(主婦)、お兄ちゃん(大学生)が集まって一人1万円ずつ出し合って、3万円から始めた国際協力なんですよ。」と伊吾田さんは説明してくれました。「まったくなんの後ろ盾もなく、一般の人たちが立ちあげた会ですが、いまでは会員も600名になり、着実に活動してきた結果が身を結んできたというところです。」

写真1:当時のタイ中部アユタヤの児童養護施設の子ども達
設立のきっかけとなったタイの北部の子どもたちのために行っている事業は、村に学校がない遠方の子どもたちに教育の機会を提供するための学校寮の建設・整備、奨学金支援、子どもたちの職業訓練と自給自足のための学校農園、養豚、養鶏、養魚を行う「ランチ・プロジェクト」や山から町に出た時に自分の身を守るためのライフスキルトレーニング、健康改善支援などです。これらの活動によって高校への進学率が2005年から80%までに増加したそうです。
「さらに嬉しいのは、その後大学を卒業した生徒が先生になって村に戻ってきたんですよ。まだなかなか山岳少数民族の先生は少ないので、そういう先生がもっと増えれば地域ももっと良くなると思っています。」と伊吾田さんは言います。また、この地域は偶然タイ人の監督によってドキュメンタリー映画化されたため、日本での自主上映にも取り組んでいます。(映画:『デック子どもたちは海を見る』http://www.tpak.org/dek/home.htm)
タイの東北部では、教育の行き届かない地域への「移動寺子屋」や味の素と協力して、現地の栄養価の高い野菜を使って、栄養教育と識字教育を組み合わせたプロジェクトも推進しています。

写真2:タイ東北部での移動寺子屋教室の様子。楽しみながら栄養について学んでいく。
2008年の5月にミャンマーを襲ったサイクロン。ACTかながわが支援していた児童養護施設も直撃の被害に遭い、すぐに緊急支援を始めたそうです。「2005年にこの施設の支援を始めたときは、衛生状態も悪く、栄養失調、眼病、皮膚病、結核の疑いがある子がいたが、給水プロジェクトや衛生教育でちょっとずつ状況が良くなっていました。そんなときに遭ったサイクロン被害でした。幸い死者はでなかったのですが、施設はほとんど全壊してしまいました。」と苦労をした話をしてくれた伊吾田さん、その後の大変な状況を信頼関係で乗り切ったとも話してくれました。
「とにかくうちが一番大切にしているのが現地の人たちとの信頼関係です。サイクロンの緊急支援に入ったときも、もともと2005年からの信頼関係があったからこそ、現地に行って何が必要かよく話し合い、水と食料と家屋の復旧を現地の人々と共に行ったことで的確な支援が出来たと思います。」

写真3:サイクロンが直撃した僧院孤児院。途方に暮れる僧侶
インドでは衛生教育キャンペーンとともに、女性の自立支援も行っています。インドでは結婚時の持参金問題や、虐待により毎年7000人もの女性が殺されてしまっているそうです。ACTかながわは、もともと衛生教育で入った村の女性の地位が極めて低い状況を目の当たりにし、現地のNGOと協力して、地域を巻き込んでの改善活動として、健康改善、ジェンダー教育や、女性への職業訓練などを実施しています。
男性の反応は?と聞くと、「この地域の部族の長(男性)を巻き込んで、男性だけを対象にしたセミナー、男女一緒のセミナーを開いたりしています。この地域の人たちは名誉を大事にするので、リーダーになってもらったり、表彰したり、なるべくいい形で男性を巻き込んでいます。女性たちもすごいパワーで、この状況をなんとかしたいっていう気持ちがあるんですよ。活動にもすごく積極的に参加してくれていて、順調に進行しています。」と希望に満みちた顔で話してくれました。

写真4:インド北部の小学校40校を中心に手洗い、歯磨き、水浴びなどの衛生教育キャンペーンを実施

写真5:インド北部農村地帯での女性自立支援活動の様子。リーダーを育成し村の女性たちに様々なレクチャーを行っている
ACTかながわは、現地の人々から学ぶ『共に支えあう思いやりの心』を通して、日本ももっと良くなってほしいとの願いから、国内での活動も活発に行っています。トークセミナー、インターン制度、企業や学生への地球市民講座、広報、ドキュメンタリー映画の上映や、募金活動など様々な活動をしています。
「やっぱり日本にいる一人ひとりが変わっていかないと、世界もよくならないと思っていますので、まずは私たちスタッフが志のある生き方を実践することと、多くの仲間を増やし、明日の日本を背負って立つ人材の育成には力をいれています。私も、ボランティアから参加したのですが、、いろんな人とお会いできますし自分の利益を超えて他人のために行動している人がすごく多いので、学べることはたくさんあります。」と伊吾田さん。
そして、これらの国内活動のほとんどすべてにボランティアの方が携わっているといいます。「これがうちの特徴です。10才から90才の方まで、年間延べ1500人以上のボランティアさんが参加してくれています。年配の方や学生を中心に、現役の社会人の方が土日に来てくれたり、本当に活発に参加していただいています。」ボランティアが主役のNGOだそうです。
「事務局の運営が大変だからボランティアを呼ぼうっていうのではなくて、うちではボランティアさんが主役なんです。ボランティアさんが活動しやすいようにすることを心がけています。一人ひとりが変わっていくことが世界平和につながっていくと考えていますので、私たちスタッフは完全に黒子です。」と、話してくれました。

写真6:グローバルフェスタ。それぞれの方が自分の得意な分野で活躍しています。
「私もなんですけど、人の役に立てる喜びを知ったらやめられないですよ。それを実感して活動に参加していただいていると思います。ただ仕事やって終わりっていうんではなくて、お昼はみんなで一緒に食べて、国際問題とか、環境問題、政治の話や、笑い話などでいつも盛り上がってます。午後にはティータイムをとってまたいろんな話をしたり。日本国内でも人とのつながりをすごく大切にしていて、日本をよくしよう、世界をよくしようって思って主体的にみなさん考えていらっしゃいますので、それも一つ参加いただけることにつながっているのかなと思います。いつもワイワイガヤガヤ楽しく活動しています。」参加条件はやる気だけ!特殊なものはまったくいらないので、自分の得意なところからやっていける、と参加しやすく、とても楽しそうな様子が伺えました。
ボランティア随時募集中です!!!
参加条件はやる気だけです!国際協力に興味のある方はどなたでもご参加いただけます!
毎月第4土曜日にボランティア説明会を開催しています。
http://www.tpak.org/youcan_volunteer.html
我々はあくまで「黒子」でボランティアさんたちが主役、というお言葉が特に印象に残りました。雰囲気もアットホームで、このNGOでボランティアをやりたい人が多い理由もよくわかります!
(JANIC インターン 古橋)
JANICユース http://www.janic-youth.org/(新しいウィンドウが開きます。)
お話をうかがったスタッフの方
サポーター事業部 岩澤美保さん
岩澤さんが国際協力に関心を持ったきっかけは大学1年生の時。授業で、タイで児童買春問題に取り組むNGOで働いているニュージーランド人の方の話を聞いたことがきっかけだったそうです。「児童買春問題の存在は何となくは知っていたのですが、まさか5-6歳という小さな子どもたちまでが被害にあっていて、日本から飛行機で5、6時間しか離れていないところに、そんな許されない世界があるのかとただ怒りを感じました。その時、自分の人生は、そういう人のために使いたいと思ったんです。その頃私の専攻は英文科で、シェイクスピアがすばらしいとかやっていたんですが、確かにすばらしかもしれませんが、そんな子どもを助けたい私にとってはそれってなんの役に立つんだろう、なんで自分は英文学を勉強しているんだろうと思っていたんです。今まで人生やりたいことを探し中でしたが、この問題に出会い、これだと思いましたね。」と楽しそうに話してくれました。

児童買春の被害から守るための孤児院、そこで生活する子どもたち
岩澤さんはイギリスの大学で学部を開発学に変え、グローバリゼーションやジェンダーを勉強し、「やっぱり世の中の不公平を少しでも公平にするために働きたい」という強い思いを持って帰国、新卒でかものはしプロジェクトの職員となりました。
「NGOといったら人材育成にコストをかける余裕はなくて、即戦力を求めると聞いていました。なかなか新卒では入れない、と。しかし、かものはしプロジェクトは共同代表の村田自身が大学生の時に設立した経験を持っているため、『スキルはないけど、でもやりたい』っていう気持ちを理解していただき、採用されました」
しかし、熱い思いを持つ岩澤さんでも新卒であるために経験やスキルがなく苦労をされたそうです。「新卒で入った分、気持ちにスキルが追い付かず、苦しみました。大学で開発の基礎的な理論はありましたが、それだけじゃ駄目でした。資金を調達するので、NPOには意外と思われるかもしれませんが、企業と同じ、ファイナンスやマーケティング、マネジメントのスキルの必要性を感じて、どうやって獲得しよう・・・と壁にぶつかりました。」
克服方法を伺うと、2つあると教えてくれました。ひとつは意識的に知識をつけたことだそうです。「活動のためには資金が必要。NPOだからって甘えちゃだめだ。解決したい問題があって、それに必要な資金なのだから。と思ったんです。とにかくビジネス書や経済の本を読みあさりました。」と岩澤さん。読んだら実際に仕事で本に書いてあったことを試してみて、失敗したら上司やサポーターの方にアドバイスをいただいて、また実践、本を読む。これを繰り返し、どういうスキルが自分に足りないのか把握していきました。
ふたつ目はモチベーションを持ち続けること。「初めのころはスキルがないから私は役に立てない、駄目だ、と思っていたのですが、モチベーションが一番大切なことだと思いなおしました。"絶体に児童買春問題を解決したい、解決する!"という思いがあれば、スキル習得の努力も楽しいし、できない部分は、同僚や上司、かものはしプロジェクトを支えて下さっているアドヴァイザーの方々から学んでいけばいいじゃない、かものはしには応援してくださる人がたくさんいる!とポジティブに考えるようになってから良くなった気がします。」

カンボジアの女性たちと岩澤さん
かものはしプロジェクトが支援者をつのるサポーター事業には、3つの方法があります。共同代表の村田さんの講演を通じて会員を募る場合と、WEBを通して会員を募る場合、そして楽しく参加しやすい企画を通じて募金を集める場合です。岩澤さんはこの「楽しい企画を作ること」を担当しているそうです。そして、こんな話をしてくれました。「『1 L for 10 L』って知っていますか?私はこれが成功している理由は、かかわったすべての人がハッピーになれたからだと思います。消費者はいつもの商品を買うだけで社会貢献ができ、企業は本業で社会貢献ができて売り上げも伸び、ユニセフはそのお金で活動し、現地の人を幸せにできた。こうやってかかわった3者ともハッピーになる仕組みこそ、まさに私がやりたいことなんです。」
一方的に寄付をして、もらった人は感謝しなくてはいけない仕組みではなく、かかわった人みんなにメリットがある形でこの事業を成功させたいという岩澤さん。「私は一生、このようなPRやマーケティング等のクリエイティブに関わり、女性や子どもの問題の解決に貢献できたら幸せです。」と話してくれました。

社会貢献を身近に! チャリティスポーツ大会!
NGOやNPOの強みについて伺ったところ、大きな国際機関と比べて、現地の人や、支援してくれる日本の人と近い存在であることだと話してくれました。「組織や財政は小さいけれど、現地の人のニーズを細かくとらえることができ、日本の人にとっても参加しやすいと思いますので、どんどん関わってほしい。その仕組みをつくりたい」と岩澤さん。
そのためには、「困っていることや現地の状況を、もっとクリエイティブでポジティブな方法でアピールしていくこと」が必要だと言います。
「一般の人は、暗い問題を知りたくないわけではないけれど、すごく身構えたときでないと受け止めてくれない。NGOは厳しい現状を訴えかけるけど、受け取る人は『ちょっと準備ができてない』という人が意外と多いんです。だがら、親近感のある方法でやらないといけないなと思います。」日々、楽しく参加しやすいモデルを考える岩澤さんの大切にしていることがにじみ出ているお話でした。

スタディーツアーの参加者とかものはしの工房で働く女性たち

国際協力を身近に感じてもらえるイベント、グローバルフェスタ
日本は募金の文化が浸透していないので、かかわった人みんなが幸せになれる仕組みや、楽しく参加しやすいモデル作りはとても大切だなと思いそれを追求している岩澤さんの姿勢に感動しました。
(JANICユース 権智娜)
JANICユース http://www.janic-youth.org/(新しいウィンドウが開きます。)
女性の自立支援 まとめて募金
保護が必要なこどもの生活支援 まとめて募金
NGO個別募金:(特活)かものはしプロジェクト
お話をうかがったスタッフの方
サポーター事業部 岩澤美保さん
「社会貢献は、役割分担だと思います。仕事として国際協力をしている人もいれば、普段は他のお仕事をしているので、募金という形で国際協力に関わる人もいる。一人が全部をやるのではなく、多くの人がやれることをやるほうが、やれることは大きくなり、長続きもすると思います。そして、逆に言えば小さくとも全員に果たすべき役割分担があります。もしその役割分担の中で、『募金』という形が当てはまるという人には、ぜひこのNGOサポート募金を通じて私たちの活動に参加していただきたいです。」
人身売買、児童買春問題。耳にはしたことがあるけれど、目の当たりにしたことのない私たちは実際の状況をどれだけ知っているのでしょうか。国連の定義においても、子どもに関する問題の中で「最悪の児童労働」と定義されている児童買春問題。その解決のために活動している団体が、NPO法人かものはしプロジェクトです。
かものはしプロジェクトの共同代表である村田さんが学生の時、タイの孤児院を訪れ、そこで児童買春の被害にあった少女たちと出会いました。彼女たちは自分からは語らなかったそうですが、村田さんは孤児院のスタッフから、その子たちは貧しかったため、買春宿に売り飛ばされ、電気ショックを与えられながら無理矢理働かされていた、と聞きました。買春宿に売られた後、HIVがもとで死亡したり、自殺したりすることを知ったとき、村田さんにどうしようもない怒りと悲しみがこみあげてきたそうです。当時まだ大学生だった村田さんは大きな衝撃を受け、なんとかしてこの問題を解決したい、自分には何ができるだろうと思いながら日本に帰国しました。初めのうちはボランティアをベースにこの問題を広める活動をしていましたが、やがて安定的に活動資金を集めることが出来ない、という壁にぶつかりました。

カンボジアの女性たちと岩澤さん
こうして村田さんが継続的な活動のための資金獲得に悩んでいた時に、「社会問題を会解決するためのビジネスがしたい」と考えていた本木さんと青木さんという仲間に出会いました。彼らと話合う中で、事業(ビジネス)を手法にすれば、継続的に児童買春問題を会解決するための資金が調達できるのではないかと考えました。そして村田さんは彼らとともに3人で共同代表となり、現在のかものはしプロジェクトを設立させました。
このようにして設立されたかものはしプロジェクトの事業は、大きく分けて3つの柱に分かれています。1つ目はIT事業です。「ビジネスとして支援活動をする」としたかものはしプロジェクトならではの活動で、かものはし全体の資金調達を目的にしています。現在は日本企業のWEB製作から一部の作業を受注し、この売り上げが全体の65%の収益をもたらしているそうです。また、かものはしのホームページも制作し、NPO活動をする上で大切な「情報発信」という役目を担っています。
2つ目は、サポーター事業。これは月額1000円でかものはしを応援してくださる会員を募る事業です。特にかものはしは、「あなたもうれしいと、わたしもうれしい」をコンセプトに、支援する・される側という立場を超え、互いに笑顔の連鎖がうまれる関係性をつくりたいと思っています。
そして、3つ目はコミュニティファクトリー事業です。現地に「い草」を使った雑貨をつくる工房を建て、村の人たちに職業訓練と雇用を提供し、その商品を、アンコール・ワットを中心とする観光拠点シェムリアップで販売するという事業を行っています。

IT事業部のホームページ。NPOではめずらしい自己収益をもっている
(IT事業の特設ページはコチラhttp://www.kamonohashi-project.net/it/)

カンボジアの就職に有利なパソコンのスキルを教えた「PCスクール」
カンボジアの農村では、現金収入が月に5ドルほどしかない家庭が多い現状があります。しかし実際には、自給自足でまかなうものに加えても、一家庭につき現金収入が月30ドルは必要であるそうです。足りない現金収入を得るために、農村の人々は都市に出稼ぎに行くしかありませんが、過酷な労働や児童買春といった健全でない労働が多いことが問題でした。また、貧しい人々は学校に行けない→勉強していないためスキルがない→すると良い仕事がない→さらなる貧困に陥る、という悪循環が発生していました。
そのため、かものはしプロジェクトでは「コミュニティファクトリー事業」として、農村に工房を建て、農民のために職業訓練を行い、雇用を生み出す仕組みづくりを始めています。農民が児童買春をはじめとする不健全な労働に従事する代わりに地元の工房で働き稼ぐことができるようにしたのです。この事業の良いところは、直接寄付を村の人に渡すのではなく、村の人が自分たちで稼いだ収入によって家族を養うができ、子どもを児童買春として売らなくて済むという仕組みが成り立っていることです。とはいえこの事業は始まって2年ほどしか経っていないため、まだ初期費用を回収しきれていないのだそうです。現在は足りない運営費を寄付でまかなっており、自立運営をめざし、売上げをさらに伸ばしていきます。

いきいきと工房で働くカンボジアの女性
「コミュニティファクトリー事業には、貧困を解決するだけでなく、受益者が自立するという良いところがあります。しかし私たちのミッションは児童買春問題の解決です。コミュニティファクトリーでは働けない、ストリートチルドレンや病気などで親が働けない家庭の子どもたちを保護することも重要なのです。ですので、現地が運営する孤児院の支援もはじめました。これは自立収益型ではないのですが、ミッションの解決には必要なことであり、『事業をすることが目的なのではなく、問題解決に必要なことをする』のがかものはしプロジェクトです。」と岩澤さんは、ビジネスだけでは埋められない穴も問題解決のために取り組んでいることを話してくれました。また、カンボジアでは近年法整備が進み、児童買春問題はかなり改善をみせてきたそうです。そのため、かものはしプロジェクトでは、法執行強化のための警察訓練支援を、カンボジア内務省、ユニセフやワールドビジョンと連携し、行っています。
今、ちょうど大学2年生の自分と比べて、村田さんの強い意志と行動力に感動し、また尊敬しました。
(JANICユース 権智娜)
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女性の自立支援 まとめて募金
保護が必要なこどもの生活支援 まとめて募金
NGO個別募金:(特活)かものはしプロジェクト
お話をうかがったスタッフの方
支援者サービス担当 森本 由布子さん
現在、シェアで支援者サービスを担当している森本さん。国際協力に興味を持ったきっかけを伺いました。
「中学生のころ、父の仕事の都合でアメリカに滞在する機会がありました。日本人が誰一人いないところで生活をして、日本人であることを自覚しました。アメリカの中で『人種』を意識しました。それから大学で国際関係を勉強しているころ、インドに行ったんです。インドは本当に貧富の差が激しくて、裕福なお屋敷の塀づたいに、多くの人たちが野宿しているというような、まさしく『差』を感じました。そのころから、国際協力のフィールドに興味を持つようになったと思います」。
大学を卒業後、森本さんは企業に就職し、そしてシェアに転職。その中での気持ちの移り変わりをお聞きしました。「企業には4年間勤めましたが、国際協力への気持ちはそのまま持っていました。大学時代の私は、途上国への一方的な支援ではなく、企業の営利活動が途上国の開発に繋がるという形に関心を持っていました。しかし、企業の国際部門で働く内に、現実の難しさも理解するようになりました。純粋に国際協力に関わりたいのであれば、今、方向修正をした方がいいのではないか。ちょうどそんな時に、大学時代の教授が国際協力活動中に亡くなったとことを知り、本当に自分がしたいことってなんだろうって深く考え始めたんです。そして会社を辞めて、シェアに転職しました」。
森本さんに今までで苦労したことをお伺いしました。「シェアの活動は、どれも時間がかかるものです。特に私は、日本国内で事業を担当していたので、現地にずっといるわけではないんですね。活動の成果はすぐに出るわけではないし、日本で海外事業を支えることの必要性はわかっていても、もどかしさを感じることもあります。その分、現地の人々の言葉やスタッフの報告から変化が感じられた時のうれしさは大きいです。現地と東京と離れている分、スタッフ間の密なコミュニケーションは大事だと思いますね」。
最後に、森本さんに今の夢をお聞きしました。「NGOって特殊な人たちだけが関わるような、どこか不思議な団体というイメージってまだまだあって、認知度もまだ高くないと思うんですね。でもこの先、NGOが一般企業と同じように就職先の選択肢の1つとして、何かしたいと思っている人たちを受け止められる組織に変わっていくといいなと思います。そのプロセスに自分も関わっていけたら楽しいですね。」と答えてくれました。
また、現在子育てをしながらシェアでお仕事をされている森本さんに、今後のNGOとの関わりについて聞いてみました。「私自身、NGOと10年ほど関わっていますが、NGOとの関わり方って変わるものだと思うんです。子どもがいないころ、NGOで働くことは、気持ち的にも時間的にも仕事:プライベートが7:3という感じでした。子どもが生まれてからは、仕事とプライベートがちょうどフィフティフィフティ。もしかしたらこれから先、両親の介護が必要になることだってあるでしょう。そんな長い人生の中でその時その時の自分に合った形で関わっていける、そしてその多様性を受け入れられる組織になるといいなぁって思いますね。頑張りすぎてもえつきてしまわないよう、無理の無い形で息の長い繋がりをもてるような、そんな組織になるのが理想的だと思います。」
「医療」という言葉にはしばしば、高度な技術に基づく先端医療のイメージがついてまわります。しかしながら、シェアが力を入れるのはより多くの人に最低限 の健康を保障するための「プライマリ・ヘルス・ケア」。高度な専門的技術なしにも現地での保健活動が継続できるように考慮した結果です。ここには、自分たちにで きるものは何かないかと探り始めた設立当時の強い思い、そして「国際保健協力『市民』の会」という名称に込められた深い意味合いが覗えます。根本的な人と人との関係を大切にする姿勢は、発足当初から現在の組織運営・スタッフの心根に強く受け継がれているのでしょう。
(JANICユース副代表 渡辺 もえ)
JANICユース http://www.janic-youth.org/(新しいウィンドウが開きます。)
保健医療支援まとめて募金
保護が必要なこどもの生活支援 まとめて募金
NGO個別募金:(特活)シェア=国際保健協力市民の会
お話をうかがったスタッフの方
支援者サービス担当 森本 由布子さん
「日本の医療も、今いろいろな課題を抱えていますが、基本的にとても整っていると思います。シェアが活動しているような国では、5歳まで生きられない子がたくさんいたり、妊娠や出産で亡くなってしまうお母さんがいるんですね。この医療の大きな差を見る中で、今、日本の私達ができることが何かあるんではないかなぁって思うんです。ぜひみなさんにもシェアの活動を知った上で、参加していただけたら、と思います。」
健康に毎日を送ること。それは決して当たり前にできることではなく、その後ろにはいつ病気になっても私たちをサポートをしてくれる「医療」や「保健システム」という存在が不可欠です。そういった全ての人が健康な毎日を送るための基盤作りに取組んでいるのが(特活)シェア=国際保健協力市民の会(Services for the Health in Asian and African Regions;シェア、以下シェア)です。今回は支援者サービスを担当している森本さんにお話を伺いました。
1983年に設立され、昨年25周年を迎えたシェア。その始まりは1970年代末に、インドシナ戦争の影響でカンボジア、ラオスなどの周辺国からタイへ多くの人々が難民として逃れた、いわゆるインドシナ難民救援活動でした。「シェアは、救援活動に参加した日本の医師や看護師、医療系学生などが自分たちが持ってる技術を活かして、人々のために役立ちたいという想いで立ち上がった団体なんです」と森本さん。それから25年、『すべての人に健康を』という目標のもと、現在のシェアの活動は多岐に渡ります。「最初は主に緊急支援を行いました。でも、避難キャンプでけがや病気を治した人が村に帰っても、知識や情報の不足、また栄養やの問題からその村で同じような病気にかかってキャンプ地に戻ってくるという現実を目の当たりにしたんです。結局は彼らが自分達の地域の中で健康を守ることができないと、根本的な解決には繋がらないのでは、そういう思いからより長期的に地域に入りこみ、地域保健を中心に活動するようになりました」。

村の巡回予防接種。保健ボランティアがサポートし、母子を集めたり情報を伝える。
『医療活動』や『保健活動』という言葉を聞いた時に思い浮かぶのは、医師や看護師を現地に派遣して医療を行っている姿かもしれません。しかし、シェアは現地でのプライマリ・ヘルス・ケアをとても大切にしています。「医師や看護師が高度な技術を持ち込むのではなく、シェアは現地にあるもので、シェアがいなくなった後も継続していく活動を心がけています。現地にあるもの活かし、現地にいる人たちが、現地でどんなふうに保健活動ができるのかを考えます。現地の人が自分たちの問題を解決するのを、側面からサポートする感じですね。どんな場所でも視点は同じです。医療にアクセスするのが困難な人たちができるだけ健康を維持できるように・・・、そういった想いで活動しています」と森本さんは話してくれました。

等身大の人形を使った、伝統助産師への出産介助トレーニング
現在シェアの活動の柱となっている活動は4つ。1つめは、カンボジアで実施している母子保健活動です。「この活動は妊娠、出産を迎えるお母さんや、生まれてきた子どもへのサポートです。安全な出産のために、出産介助をする伝統助産師へトレーニングを行なったり、母親たちに保健教育の他、妊婦検診や予防接種の情報提供を行なう保健ボランティアを育成したりしています」。
2つめは、東ティモールで行なっている保健教育活動です。10年前の1999年、東ティモールの「独立」後、独立反対派の民兵等によって、学校や診療所などのほとんどの公共施設が破壊されてしまいました。シェアの東ティモールでの活動はこの時始まった、と森本さんは話してくれました。「ちょうどその時に、たくさんの声がシェア内部からも支援者さんからも上がったんです。この悲惨な状況だからこそシェアができることがあるのではないかと。そこで最初は緊急医療活動を行い、そこから復興支援に、そしてそれは地域に密着した保健活動に変わっていきました」。
現在も活動は続いています。「今は保健教育活動に力を入れています。例えば学校で行なう保健教育活動では、とても基本的なことなんですけど、トイレに行ったら手を洗うとか、栄養に気をつけて食事をとるとか、病気にならないためにどんなことに気をつけたら良いのか、そういったことを伝える活動をしています。教育方法も大切でパネルシアターを行ったり、劇をしたりと、楽しみながら学べるように工夫しています。例えば結核のお父さんからどのように子どもにうつり、どうやって治していくかというのを劇でやります。活動地には字が読めない人もいます。目で見て、感じて分かる教育を心がけています」。

保健教育ツール:パネルシアター
そして3つめは、タイや南アフリカでのHIV/エイズの活動です。「シェアではHIV陽性者グループの活動をサポートしたり、病院と協力して抗ウイルス薬の服薬支援などを行なっています。また、地域の中での啓発活動も実施しています。HIV陽性者も地域の中で共に生きていくというところでのケア、みんなと一緒に支えながら生きていくということへの活動に重きを置いています」
そして最後に、日本に住む外国人の人々へのサポートです。「言葉の問題、医療費の問題など、医療の進んだ日本にいながら、医療サービスを受けることの出来ない人たちがいます。無料の健康相談会や英語やタイ語での電話相談、医療通訳の育成や派遣などを行なっています。」と森本さん。そして、こう続けられました。
「世界を見ると、最低限の医療にさえアクセスできない人がたくさんいます。その中でシェアができることは本当にわずかかもしれない。けれどそんな人たちが自分で自分の健康を守る術を知ったり、近くの保健センターを利用することによって、明日も健康に生きていってほしい。その想いは、活動場所や活動内容にかかわらず、シェアの活動全体の根底に流れているものなんです」。
家庭訪問の様子。エイズ治療投薬の内服状況や体調をリーダーが確認している。
住民が主体的に参加できるようなプロジェクトを目指す、シェア。その活動のきめ細やかさには、とても感心させられました。最近では企業と連携した取り組みも進めているそうですが、今後展開されるシェアの活動がとても楽しみになりました。
(JANICユース総務チームリーダー 吉野 宮奈)
JANICユース http://www.janic-youth.org/(新しいウィンドウが開きます。)
保健医療支援まとめて募金
保護が必要なこどもの生活支援 まとめて募金
NGO個別募金:(特活)シェア=国際保健協力市民の会