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はいいいえ

(特活)アフリカ地域開発市民の会 スタッフインタビュー前編

『"彼ら"と一緒に目指す"新しい豊かさ"』 

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お話をうかがったスタッフの方

 
代表理事 永岡宏昌さん

永岡さんからのメッセージ

 「これを読んでくださっている方へのメッセージ?うーん、人に気持ちを伝えるのって、難しいですよね。頭では分かっていてもいざ話そうとすると、どうしたらよく伝わるのかって考えてしまって。そうですね、伝えられることは、今、子ども達のために教室を作ってるんですけどね、募金があったらもっと作っていけると思うんです。その教室でエイズ学習会を開くこともできますし。なので、ご支援いただけたらと思います」。

ケニア東部ムインギ県で住民目線の「豊かさ」を一緒に達成しようと活動を続けるアフリカ地域開発市民の会(Community Action Development Organization: CanDo)。今回は代表理事の永岡さんに、お話を伺いました。

彼らが、自分たちで考える豊かさ

CanDoの始まりは、1998年。ある1つのポリシーとともに、動き出した団体だといいます。そのポリシーは、"新しい豊かさ"の定義でした。「豊かさって、押し付けるものじゃないんですよね。もちろん、援助側に立つ人間が"これが豊かさだ"と決めることもできるかもしれなけど、それは違うと思うんですよ。地域に住んでる人たちが、自分たちで豊かさを決める。だってその場所での生活は、私より彼らのほうが知っているし。私たちは彼らの豊かさを達成するための力になりたいんでね」。そうCanDoの設立者でもある永岡さんは、当時を振り返ります。そして、こう続けられました。「彼らの考える豊かさを、彼らの自主的な行動で達成していく、そうするための能力をつける。それには自律支援だと思いました」。


最初の活動として取り組んだ教科書配布

権力をつくらない活動

CanDoが目指す、「彼らの豊かさ」を達成するための自律支援プロジェクト。それはどのようなものなのか、教えていただきました。「現在は教育、保健、それから環境保全分野での取り組みを行っていますが、いちばん最初に始めたのは教科書配布です。自律支援なのに配布するということは相反すると思うかもしれませんが、これは入り口としてのプロジェクトでした。 私たちは、活動も活動地域も、自分たちで考えて探すんですよ。だってほら、誰かに紹介を受けたらその時点で、地域のなかの力のある人々との関係が密接になって、弱い立場の人々との距離が広がってしまうでしょ。同じ立場に立っていないのに、村人たちの考える豊かさについて言えないですよ。「援助をする側」の私たちと、「援助を受ける側」の村人たちの間に権力関係はあってはならないと思うんです。だから現地の様子を見て話し合いを重ねて、権力をつくらず、押し付けのないように深く考えてから、入り口を決めるんですよ。 ケニアのムインギ県に決めたときも、自分たちで現場に入り、いろんなことを配慮して、活動を始める場所を自分たちで決めたのだと、教えてくれました。


保護者の参加による教室建設の様子

学校から始まるコミュニティー

こうしたポリシーで始まった、ムインギ県での教科書配布。それは、その後教室の建設につながっていきます。「教科書は、50校分用意しました。一時は、事務所が教科書で埋まりましたね。それから、ケニアでは教室の足りない小学校がたくさんあり、青空教室で授業をしている学校もあったので、保護者をはじめとする地域住民の参加で、教室をつくる活動を始めました。」 CanDoでは、小学校と、その学校に子どもを通わせている地域社会を、ひとつのまとまり、学校地域社会として着目しているそうです。 それを永岡さんは、「地域の家庭には、どこにも子どもがいて、その子どもたちが長い期間小学校に通うので、小学校と地域社会は密接に関係しています。地域で長く顔見知りの人たちが、小学校でも一緒に保護者を続けている関係になります。また、学校から遠いため、元気で我慢強い子どもは毎日通学できても、そうでない子どもにとっては通い続けることは難しい地域(コミュニティー)も多くあります。こんな地域では、みんなで土地を確保して、教室をつくって、幼稚園を始め、小学校へと拡張していく努力が続けられています。1つ教室を造って、小学校に認定されて教員が派遣されても、毎年のように教室を造り続けていくのは大変なので、その新設小学校への教室建設の協力も行なっています。」と説明してくれました。 教室建設をとおして地域社会をつくるのではなく、地域社会が努力している学校づくりを応援します。また、その教室建設のなかで、住民が様々な能力を向上させ、学校の運営に主体的関わること、ひいては住民の能力向上が、地域社会の自律的な発展につながることを期待しているのだそうです。

社会を壊さないために、エイズと闘う

その後、さまざまな方面へCanDoの支援の手は伸びていきます。中でも、いま1番力を入れているプロジェクトはエイズ教育だそうです。その理由を、永岡さんはこう語ります。「エイズって、感染経路は限られているんですよね。でも正しい知識が認識されるまでに、時間がかかるものなんです。...例えば、何か悪いことをしたんだけど、どうして悪いのか分っていない子どもを叱る時、どうしますか?どうしてダメなのか子どもに伝わらない時。...ふつう大人は脅してしまうんですよ。そういうことをしたらおおかみに食べられちゃうんだよって。実はこれまでのケニアでのエイズ教育は、同じことをしていました。でも、脅しだけでは何も始まらないんですよ。だから正しい知識をつけることが必要なんです」。 また、エイズ被害は感染だけではありません。「エイズが広がると、そこには差別が起こるんです。エイズは見ただけでは感染者かどうか分らない、でも感染する力を持っている。だからもし感染者が分ったら、その家族も、近所の人も、そのコミュニティー内でパニックが起きてしまうんです。今まで同じコミュニティ内で協力していた人たちが、一斉に疑心暗鬼になって、感染者をいかに避けるかを考え始める。そうするとコミュニティは分断されて、社会が壊れていくんです。そういった面で、エイズは他の問題とはレベルが違うんですね」。 実は、CanDoの活動するムインギ県で本格的にでエイズ対策が始まったのは2004年、わずか5年前のこと。そのため、エイズに対する正しい知識を持たない社会で、エイズが蔓延してしまっているそうです。「私たちは、標準的な知識をつけ、エイズのきちんとした見方ができるようにするために、活動をしているんです」。権力を使わずに住民と向き合い、彼らのために大事なことをしっかりと伝える。その難しさと対峙する永岡さんの目は、厳しくも輝きに満ちていました。


地域女性への保健研修でのコンドーム実習


インタビューを終えて

「ケニアの方々の考える豊かさを、彼ら自身で実現できるような能力をつけていく」。CanDoの理想は言うのは簡単ですが、実現するのはなかなか難しいです。CanDoは1998年に設立され、NGOの中では比較的新しい方です。それにも関わらず、ムインギ県では着実にその活動を進めています。エイズ教育への取り組みを、ケニア支援に携わる機関の中でも、いち早く導入し推進していったようなCanDoの「地域が一番必要としていることを読み取る洞察力」に、その理想実現の秘訣があるのではないかと感じました。
(JANICユース 総務チームリーダー 吉野宮奈)
JANICユース http://www.janic-youth.org/(新しいウィンドウが開きます。)

[インタビュアー]
国際協力NGOセンター有志グループ(JANICユース)
代表 小堀 優井
総務チームリーダー 吉野 宮奈 
編集:マネジメントチーム 小松崎 瞳


 




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