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KnK写真展 in 岩手 「時を重ねて ― 東日本大震災から現在 ―」

FROM国境なき子どもたち

JUL.05.2022

認定NPO法人国境なき子どもたち(KnK)は、ストリートチルドレンや暴力や虐待の被害にあった子ども、大規模自然災害、国内騒乱で不安定な状況下にある子どもなど、世界各地で困難な状況にある青少年を支援する国際協力NGOです。1997年に世界の子どもたちと「共に成長する」ことを理念に活動を開始し、現在は7の国と地域で活動しています。日本の人々、特に若い世代に海外の子どもたちの現状を伝えることを目的に毎年写真展を開催しています。
この度、7月13日(水)より岩手県陸前高田市において東北写真展を開催する運びとなりました。

写真展に寄せて

東日本大震災発生から11年。町の復興計画により、がれきの山だった場所は整備され、商店や住宅が立ち並び、震災の爪痕は薄れつつあるように見えます。当時出会った小学生は高校に進学し、高校生の青年は建設会社に就職し、地元の復興に貢献しています。一時11万人を超えた仮設住宅の入居者のほとんどは、復興住宅や新天地での生活をスタートさせている一方で、経済的な負担や移転による人口減少など、多くの課題が残されています。
この写真展は、東日本大震災で被災した人々の歩み、そして一人ひとりの命や暮らしそのものと今後も向き合う機会となることを願い、2022年4月、東京で開催しました。ご来場者からは、子どもたちの成長や沿岸部で暮らす方々に共感の声が多く寄せらせました。
この度、陸前高田市アバッセたかたにて、沿岸部の皆さまへのご報告と感謝の気持ちを込めて開催します。                                                       (カラー約40点)

国境なき子どもたち(KnK)写真展 in 岩手

「時を重ねて ― 東日本大震災から現在―」

  • 撮影:安田菜津紀、佐藤慧、清水匡
  • 期間:2022年7月13日(水)~7月20日(水) 9:00~19:00 (入場無料)
  • 会場:アバッセたかた パブリックスペース 岩手県陸前高田市高田町字館の沖303番地1
  • 主催:認定NPO法人国境なき子どもたち(KnK)
  • 協力:認定NPO法人Dialogue for People、株式会社堀内カラー、G.I.P.Tokyo、アバッセたかた

 

写真家プロフィール

安田菜津紀(やすだなつき)

 神奈川県生まれ。認定NPO 法人 Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)フォトジャーナリスト。同団体副代表。16 歳の時 KnK 友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。

佐藤慧(さとうけい)

 岩手県生まれ。認定NPO 法人 Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)フォトジャーナリスト、ライター。同団体代表。世界を変えるのはシステムではなく人間の精神的な成長であると信じ、紛争、貧困の問題、人間の思想とその可能性を追う。言葉と写真を駆使し、国籍—人種—宗教を超えて、人と人との心の繋がりを探求する。

清水匡(しみずきょう)

 千葉県在住。人道写真家/KnK 職員。自然映画会社でカメラマンを務め『NHK スペシャル』や『生きもの地球紀行』などの制作に携わる。渡英し介護職に従事。帰国後、国境なき医師団日本の映像部にてアフリカやアジアの現場の撮影・編集を担当。2003 年より国境なき子どもたちに勤務。広報、プロジェクト調整、組織運営を担う傍ら、人道写真家として活動中。

 

 

震災から1か月後、母は川の上流9キロ地点で、瓦礫と泥土の下から見つかった。梅のほころぶ季節に、荼毘に付された母の肉体は、黒煙の粒子となり空へと散っていった。
(2011年4月) 撮影:佐藤慧

 

 

2019年3月10日、望鈴さんは母となった。「ひなたぼっこをするぽかぽかした日だまりのような、温かい子になってほしい」という願いを込め、息子に日和太(ひなた)と名付けた。
(2019年3月) 撮影:安田菜津紀

 

 

2011年3月 当時5歳

2022年1月 当時高校1年生

千葉展(ひらく)さん (2011年3月 当時5歳/2022年1月 当時高校1年生)
震災当時、幼稚園の年長だった展さんは、がれき撤去をする消防団の父親のお手伝いをしていた。近寄って話しかけたら、カメラに向かって左手を挙げ、ビシッと敬礼のポーズをとってくれた。
それ以来、ご自宅の付近を通る度に展さんを撮らせてもらっている。コロナ禍もあり、今年久しぶりに会ったら顔つきも変わり、立派な高校生に成長していた。「当時のことを覚えてる?」と聞くと「写真に撮られたことは覚えていないけど、がれき撤去の手伝いをしたことは覚えてます」と答えてくれた。
「将来のことはまだわからないけど、人の役に立つ何かがしたい」。
撮影:清水匡

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