よくあるご質問

NGO の概念

NGO とは何ですか。

貧困、飢餓、環境など、世界的な問題に対して、政府や国際機関とは違う”民間”の立場から、国境や民族、宗教の壁を越え、利益を目的とせずにこれらの問題に取り組む団体のことです。
NGO(エヌ・ジー・オー)とは、英語の Non-governmental Organization の頭文字を取った略称で、日本では「非政府組織」と訳されています。 NGO という用語は国連の経済社会理事会から生まれてきたという背景があり、各国政府代表者と区別する意味で、「 Non-governmental (政府でない)」が使われました。
NGO には、途上国の貧困問題に取り組む国際協力 NGO や地球環境問題に取り組む環境 NGO 、他にも平和協力や人権問題に関わる NGO など関わる問題ごとに役割が異なります。

NGO と NPO との違いは何ですか。

言葉的に NGO は Non-governmental Organization の略、 NPO は Non-profit Organization の略であり、直訳すると非政府組織と非営利組織になります。しかし、 2 つの言葉の明確な定義はなく、現在でも様々な解釈がなされています。ひとついえることは、政府からも企業からも独立した市民団体という意味で、共通の立場に立っています。
日本では、これらの言葉がともに外国から入ってきた経緯から、「 NGO 」は「開発協力など国際的な活動を行う団体」、「NPO」は「地域社会で福祉活動など を行う国内団体」という意味で使われる傾向にあるようですが、近年では、国内外問わず、社会問題に取り組む市民団体が増えてきています。
海外ではより積極的に市民の参加を強調する概念として CSO ( Civil Society Organization )や、 PVO ( Private Voluntary Organization )という用語が使われたりもします。

NPO法人(特定非営利活動法人)とは何ですか。

1998 年 12 月に施行された「特定非営利活動促進法」に基づいて法人格を取得した団体のことを差します。
一般的に NPO 法人とも呼ばれていますが、日本では NGO の登録制度がないために、国際協力 NGO でも法人格上は特定非営利活動法人を取得し活動を行っている団体が多くあります。
なお、国際協力 NGO の中には社団や財団といった公益法人も含まれますし、法人格を持たない任地団体として優れた活動を続けている NGO もたくさんあります。
また、その組織と活動が適正であり、公益の拡大・発展に役立つとして、一定の要件をクリアし、国税庁長官の認定を受けた特定非営利活動法人は、「認定特定非営利活動法人(認定 NPO 法人)」となり、認定 NPO 法人への寄付は税制上の優遇措置を受けることができます。

NGO はどんな活動をしていますか。

国際協力を行う NGO 活動の対象分野は、開発・環境・人権・平和の 4 つに大きく分けることができ、とくに教育・子ども、保健医療、職業訓練、ジェンダー・女性、植林、復興支援などの活動が盛んに行われています。
活動の形態としては、海外の現場に向けられた資金助成、緊急救援などの活動や、日本国内に向けた情報提供、地球市民教育(開発教育等)などの活動がありま す。また、政府や国際機関などに政策上の提言を行う活動(アドボカシー)、フェアトレード(公正な貿易)などの活動をしている団体もあります。

NGO の歴史

欧米の NGO の歴史について教えて下さい。

植民地時代のキリスト教会による布教・慈善活動がその基盤となっていると言われ、 19 世紀初期には、キリスト教会などの関連団体による慈善・救済活動、赤十字の活動が始まりました。第一次世界大戦( 1914 ~ 1918 )などを機に被災や戦災孤児に対する救済活動が、さいごの世界大戦の戦中から戦後にかけては、難民救済やヨーロッパの復興を目的とした救援活動が行われるようになりました。開発途上国への海外協力活動が始まったのは、 1950 年代後半頃からです。
1960 ~ 1970 年代初頭、アジアやアフリカの国々の独立とともに、南北問題がクローズアップされ、いわゆる「北」から「南」への海外協力活動(特に人材派遣)が活発になりました。また、環境や人権の分野でも国際的な活動が始まりました。
1970 年代初頭~ 1980 年代初頭には、途上国の人たちが主体となって設立したNGO、いわゆる「南」の NGO が生まれるようになり、「北(先進国の意)」の NGO は「南」の NGO への資金協力や自国での開発教育・政策提言活動な どに重点を置くようになりました。その後、「南」の NGO の活動がより活発になり、「北」の NGO との対等な協力関係が模索されています。

日本の NGO の歴史について教えて下さい。

さいごの世界大戦前、国内のハンセン病患者への援助や女性の社会的地位の向上など、日本国内における救済や啓蒙を目的とした NGO がつくられました。そして国内でのニーズの軽減に伴い、活動対象地域をアジアなど国外へ移していきました。
1960 年代前半には、主にアジア地域での開発問題に取り組むことを目的とする団体が設立されるようになり、これをいわゆる途上国の社会開発を行う海外協力活動の始まりとみなすことができます。
1979 年、インドシナ難民の大量流出問題を契機に、多くの団体が相次いで設立されました。またこの頃、欧米に国際本部を持ついわゆる国際 NGO が日本に支部や関連団体を置く形で活動を始めました。
さらに 1980 年代後半には、 JANIC のようなネットワーク型 NGO や、環境 NGO 等の発足が相次ぎました。
1990 年代以降は、日本国内での広報活動や情報提供活動をはじめ、政府や企業に対する政策提言活動、地球市民教育など教育学習活動やフェアトレードなど、国内活動の比重が徐々に高まっています。

NGO の組織

NGO にも収入はあるのですか。

NGO の収入源は大きく分けて次のように分類されます。
自己財源: 賛同者からの寄付、会費のほか、セミナーや物品販売などの自主収益事業で得られる資金
受託事業収入: 政府や民間団体から委託された事業(代わりに実施する)について支払われる資金
助成金収入:  政府や民間財団から事業に対して交付される資金
NGO は事業によって収益をあげる活動もしていますが、収益は関係者で分配するのではなく、団体の活動資金として現地でのプロジェクトなどに使っています。 NGO が利益を目的としない団体=「非営利組織」と言われる理由です。

信頼できる NGO の見分け方を教えてください。

特定非営利活動法人の取得で判断するのではなく、次のような基準で判断する必要があります。
(1)活動報告が納得のいくものか、(2)決算報告書の数字に不審な点はないか、(3)運営のための監査が行われているか、(4)問合せをした時に情報を公開してくれるか、などが確認のポイントです。ただし、報告書などは立派に作られていても活動があまりされていない場合や、報告書などが概要のみでも実際に活動で成果を挙げている場合などもあります。最終的には団体のあらゆる点を見て、判断する必要があるのでご注意下さい。
JANIC のメンバーである「 JANIC 正会員」は、「 NGO 行動指針」に賛同し、審査に合格した実績のある団体のみが加盟していますので、正会員団体へのご支援をお勧めします。

NGO についてもっと詳しく知りたいのですが、どこで調べればよいですか。

JANICと同じネットワーク NGO が地域にあり、各地域で活動するNGOの情報収集や提供、ネットワークづくりを行っています。

NGO の設立について

NGO を設立するにはどうしたらいいのですか。

「 NGO とは何ですか。」にあるように、貧困、飢餓、環境など、世界的な問題に対して、取り組む市民団体であれば、 NGO は今日にでも立ち上げることができます。ただし、現在の日本社会において NGO を登録する制度はないので、活動を始めただけでは任意団体となります。
法人組織として立ち上げるためには特定非営利活動法人( NPO 法人)もしくは公益法人などの法人格を取得するための手続きが必要です。法人格の取得には概ね団体の規則を定めた「定款」に意思決定を行う「役員」「会員制度」など含めなければならないなど、条件があるので、主務官庁に問い合わせることをお勧めします。

NGO の活動資金はどう調達したらいいのですか。

「 NGO にも収入はあるのですか。」にあるように、 NGO の資金源は自己財源、受託事業収入、助成金など大きく 3 つに分けられます。受託事業や助成金は活動実績や法人格を有しないと申請ができないこともあります。自己財源の確保については、会員や寄付者となってくれる団体のサポーターを増やすことが大切です。団体の活動資金を集めることをファンドレイジングと呼びます。ファンドレイジングを成功させる為には、人が寄付をすることで団体の活動を支え、社会を変える仲間であると感じてもらうような努力が必要です。

NGO の運営は企業と違うのですか。

NGO も組織のため、組織を動かすとうい意味では、資金管理、人員管理、社会保険などの労務管理といった要素は必要です。また、民主的な意思決定を行うためには、総会や理事会といった会議を定期的に開催する必要もあります。ただし、 NGO は営利目的の組織ではないので、会計処理については、企業とは異なる処理を行います。また、通常企業では営業担当者がモノやサービスを外部の人に伝える役割を担いますが、 NGO では団体の賛同者を募るファンドレイザーという職種があります。

NGO の組織間連携について

国際機関との連携について教えてください。

一般市民の立場で活動する NGO は、現場からのデータを分析した情報と専門知識を提供するとともに、市民の関心事を政府に提示し、政策や国際的合意の監視や実現を行います。国連システムの部局及び機関との関係はそれぞれの NGO の目標、活動場所及び分野によって異なりますが、国連難民高等弁務官事務所や 世界保健機関など、国連やその専門機関は NGO を重要な存在と考え、それを表明しています。

NGO は政府とどのように関わっているのですか。

NGOと政府には様々な見方や立場の違いがありますが、近年、NGOと政府が互いの強みを活かした協力関係の構築が進んでいます。また国際協力の分野では、途上国の市民である「南」の人たちの声を含めた市民社会の声を援助の政策に反映させるための提言活動も活発に展開されています。
政府とNGOの対話の機会としては、外務省、JICA、財務省との定期的な会合(定期協議会)、G7サミットやTICAD(アフリカ開発会議)などの機会に開催するNGOと政府の意見交換会などが挙げられます。
NGOはこういった対話の機会を利用して、政府の援助政策や制度構築、NGOと政府の連携のあり方や制度改善などを行っています。

NGOは自治体とどのように関わっているのですか。

近年、自治体や地域社会による地域の特色を活かした国際協力が活発になっていますが、この背景には国際機関や各国援助機関による援助システムの限界が明らかになったことに加えて、地域社会や市民の主体的な参加の重要性が認識されるようになってきたことが挙げられます。あらゆる分野でグローバル化と相互依存が進む中で、地域社会といえども国際社会が抱える問題と無縁ではいられなくなってきたのです。
国際協力 NGO は、農業、環境、教育などの分野で独自の技術やノウハウ、人材を有する自治体や地域国際化協会と連携することによって、より効果的かつ持続的な国際協力が可能になると考えられます。
(財) 自治体国際化協会( CLAIR )は、地域の国際化を一層推進する目的で 1988 年に設立された自治体の共同組織ですが、現在 JANIC は CLAIR と共同 で「市民国際プラザ」を運営しており、職員を派遣しています。

NGO は企業とどのように関わっているのですか。

近年、企業の社会的責任( Corporate Social Responsibility : CSR )の必要性が高まり、企業は本業や本業以外の社会貢献活動においても、 NGO ・ NPO などの市民活動団体と連携する機会が増えてきました。企業が持つ幅広いネットワークと経済力、そして NGO ・ NPO が持つ社会問題に対する専門性が上手く相互に作用することで相乗効果が生まれます。

NGO は教育機関とどのように関わっているのですか。

国際理解や国際協力に向けた新しい教育活動の普及と推進を目的に発足した NGO 等を通して、 2002 年度から全国の小・中学校で始まった「総合的な学習の時間」(高等学校は 2003 年度より実施)での取り組みや教育機関等への講師派遣などが実施されています。
開発途上国の現状・課題、開発援助の重要性についての理解や、国際協力に何らかの形で参加する態度を養うことを目的とした「開発教育」の推進には、開発協力活動に直接的に関わっていた NGO が重要な役割を果たすことができるのです。

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