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【プレスリリース】集団的自衛権に関する閣議決定に対する国際協力NGOセンターの声明

集団的自衛権に関する閣議決定に対する国際協力NGOセンターの声明

2014/07/28
特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター

 去る7月1日、安倍内閣は、集団的自衛権を含む海外での武力行使を容認するとの閣議決定を行いました。 この決定はただちに海外での武力行使を可能にするものではありませんが、これまで憲法で禁止されていた集団的自衛権の行使、集団安全保障における武力を伴う措置への参加、PKOにおける駆け付け警護の実現に向けた政策方針が表されたことを私たちは深く憂慮します。

1.本来の意味での積極的平和主義による平和への貢献
私たち国際協力NGOは、日本国憲法がその前文において「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認」し、憲法9条で「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とすることにより、武力行使を伴わない方法によって世界の人々の平和的生存権を追求すると宣言したことに誇りをもって活動してきました。また、私たちは日本がこれまで世界の人々の「恐怖と欠乏」の原因である構造的な暴力を除去するうえで、軍事力を用いない手段としてODAを積極的に活用してきたことを高く評価しています。 戦争や紛争が無い状態を指す「消極的平和」に対し、貧困・抑圧・差別などの構造的な暴力が取り除かれた状態は「積極的平和」と定義されています。この「積極的平和」を推進することは、平和国家としての日本のイメージを国際社会に定着させ、それが私たちNGOにとっても、海外の人々との友好的な関係や安全な活動環境をもたらしてきました。

2.海外の戦争への参加とNGO活動への悪影響
安倍首相は、集団的自衛権の容認によって直ちに日本が海外における戦争に巻き込まれることはないと説明していますが、多くの国民は日本が同盟国からの要請によって海外での戦闘に直接参加するようになることを心配しています。 アフガニスタンやイラクにおける多国籍軍の経験からも明らかなように、紛争の現場においてはひとたび武力を行使すれば戦闘の当事者となり、交戦を避けることはできません。また、戦闘に住民が巻き込まれて子どもや女性を含む多くの犠牲者が出ています。紛争の現場においては前線も後方も区別できないのが現実です。自衛隊による武力行使は平和国家としての日本のイメージを一変させ、NGOの活動環境が危険なものに変わるのみならず、日本人そのものが「テロ」の脅威に晒される危険も高まります。

3.解釈改憲の問題
 私たちは海外において国民主権が確立していない国を見てきました。そのような国では、憲法が国民にはかられることなく時の政権によって都合よく改変されることもあり、これに対して国際的な市民社会の一員として批判してきました。 本来、憲法はそれ自身の規定にもとづいてのみ変えることができるものです。しかし、今般の閣議決定で表明されたことは平和憲法の論理から逸脱しています。日本は立憲主義の国です。日本国憲法第96条は、「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」と規定しています。閣議決定や国会での単純多数決での法改正のみで憲法の規定が事実上変えられるようなことがあってはなりません。

4.まとめ -日本は非軍事による国際貢献をー
 日本は戦後、新憲法において非軍事の平和主義を宣言することで、国際社会の中での信頼獲得をめざしてきました。その実績は積み上げられ、平和国家としての信頼は国際社会の中で定着してきました。紛争を軍事的な力によって一方的に解決を図ろうとする機運が国際社会の中で高まっている今こそ、紛争の原因を除去し、対話による解決をめざそうとする日本は、世界で独自の役割を果たすことができるのです。 私たち国際協力NGOは、集団的自衛権を含む武力の行使を憲法の規程に反して容認することに、強く反対します。

プレスリリース全文
集団的自衛権に関する閣議決定に対する国際協力NGOセンターの声明(PDF:160KB)

【本件に関する問い合わせ先】
特定非営利活動法人 国際協力 NGO センター 調査提言グループ(担当:山口)
TEL:03-5292-2911 / FAX:03-5292-2912 / E-MAIL:advocacy@janic.org