HOME > JANICからのお知らせ > 【プレスリリース】東日本大震災 市民社会による支援活動 合同レビューWEB版公開
JANIC Books
NGOの情報誌
シナジー

2016年4月25日発行

NGOの働き方改革

NGOの情報誌
シナジー

2015年12月25日発行

私たちのSDGs-本当に達成するために-

プレスルーム

【プレスリリース】東日本大震災 市民社会による支援活動 合同レビューWEB版公開

2014年8月7日

NGO、行政機関や被災地住民など622人への大規模調査を実施
東日本大震災の支援活動を考察する報告書を制作
提言もまとめ、今後の災害に備え貴重な教訓を国内外へ発信


国際協力NGOセンター


 海外で活躍する日本のNGOを支える特定非営利活動法人「国際協力NGOセンター(JANIC)」(本部:東京都新宿区)は、東日本大震災後3年間の支援活動の考察と、国内外で今後起きうる大規模災害の支援に対しての教訓をまとめた報告書を制作しました。約1000部を全国700のNGO、社会福祉協議会や56の図書館などに提供したほか、本日2014年8月7日(木)からはWEB版を公開、国内外で災害支援、国際協力活動を行う方々など一般向けにも広く紹介します。

 今回の報告書の特徴は、援助を行う側と受け入れる側、両方の関係者622人への調査をもとに、支援活動の検証と今後への提言をまとめている点です。岩手・宮城・福島の被災3県で活動を行ってきたNGO・NPOなど169の外部団体と120の地元団体、さらに被災地の住民270人を対象に、昨年7月から約8カ月にわたり東京、岩手、宮城、福島でワークショップやアンケートを行い調査しました。その結果、高齢者や外国人への支援不足、援助の過多による地元市民の自立心欠如など、具体的な"生の声"も見えてきました。

 調査した内容は、「現地のニーズに合っていたか」など文献調査から定めた10のテーマを「連結性」「資金体制」など国際協力の分野での国際的な評価基準※1から選定した16の指標を用いて検証しました。今回の大規模災害に際し、援助がうまく進むことを阻んだ問題と原因、またその解決に向け被災地のニーズに合う支援の具体策を明らかにしました。

 またこれらの検証とともに、報告書の最終章では今後の市民団体の能力強化に向けた提言も行うことにより、"被災現場の外"からの支援をいかに機能させていくかについても説明しています。

 本報告書は、2015年3月に仙台で実施予定の「国連防災世界会議※2」で策定される予定の、今後20~30年の国際的な防災指針となる「ポスト兵庫行動枠組(HFA2)」への提言等にも活用されることが期待されています。今回まとめた内容が、国内だけでなく世界中で起きうる将来の大規模災害の脅威に立ち向かえる社会作りに、少しでも貢献できることを願っています。


10月には英語版も発行、国際的な指標を用い海外の災害対策にも活用
 今回の報告書は、2014年10月には英語版も発行し、海外に拠点のあるNGOや国際機関などにも配布する予定です。そのため、開発援助委員会(DAC)※3が定めた「DAC評価項目」などの国際的な指標に則って、支援活動の考察をまとめています。緊急支援の合同評価は海外でも実施例が多くありません。本報告書の英訳版が、海外での災害時の合同評価でも参照されることを期待しています。

JANICのこれまでの復興支援活動と、今回の報告書の制作について
 JANICは、2011年3月11日の東日本大震災発生以降、被災地現場で活動を行う日本の国際協力NGOへの支援や被災者への援助を行うため、特別チーム「震災タスクフォース」を震災翌日に編成。①情報支援、②ファシリテーション、③アドボカシー(政策提言)・ネットワーキング、④福島の活動、⑤次の災害への備え、以上5つを軸に活動してきました。
この度、震災から3年を迎え、多くの団体が現地での支援活動を終了する中、JANICとしてこれまでの復興支援活動の考察をまとめられる最後の年ではないかと考え、スタッフ4人(震災タスクフォース3人、広報グループ1人)と㈱オリエンタルコンサルタンツの社員らが中心となり、昨年5月から本報告書の制作を開始。約1年間かけ発刊することになりました。

※1 「国際的な評価基準」:経済協力開発機構(OECD)が定めた「DAC評価項目」や人道支援実施の際の支援団体の指針を定めた「HAP基準」等を活用
※2 「国連防災世界会議」:災害リスク軽減について各国政府や国連機関が話し合う会議。国内では1994年横浜、2005年神戸に続き、来年仙台で実施
※3 「開発援助委員会(DAC)」:国際経済全般について協議することを目的とした国際機関「経済協力開発機構(OECD)」の委員会の一つで、途上国への開発援助奨励などを目的とする国際フォーラム


プレスリリース詳細 (558KB)

報告書 目次と内容

目次 内容
巻頭言 JANIC理事長 大橋正明より
要約 本報告書の要約
第1章
本事業の概要
報告書の制作背景と目的、また調査の実施方法について紹介
調査は、①文献調査、②合同レビューワークショップ(115人・90団体に4回実施)、③アンケート(415人〈内訳:外部支援団体77、地元団体68、住民270〉)、④聞き取り調査(56人)、⑤特定グループ・ディスカッション(36人)、合計622人を対象に実施
第2章
東日本大震災後の被害状況と主な支援活動
東日本大震災の被害状況や住民の避難状況などを紹介
また文献調査をもとに、支援地域の状況についての5つの特徴(先進国での災害、高齢化と過疎化、地元行政の被災、広域支援が必要、原発事故と放射能)を挙げるとともに、その地域への支援活動に関わったNGO、企業、個人などについても説明
第3章
検証
10のテーマ・16の指標をもとに、関係者622人へ調査の検証をまとめています
【テーマ - 関連する指標】
現地のニーズに合った支援が行われていたか - 妥当性
支援は包括的に実施されていたか - 被覆率、ジェンダーの平等、特別な支援
支援の結果、人々をさらなる危害に曝さなかったか - 対処戦略と回復力、害を与えない
受益者への説明責任は果たされていたか - 責務の設定と遂行
地元関係者の意見は反映されていたか - クレーム対応、参加
常に見直しと改善が行われていたか - 学習と継続的な改善
短期的な支援は長期的な支援に繋がっていたか - 連結性
スタッフの安全は確保されていたか - スタッフの安全管理
組織に十分なキャパシティがあったか - 人材と人事管理、資金体制
他の団体と連携や協力はできていたか - 情報共有と調整、協働
第4章
今後の市民社会組織の能力強化にむけた提言
今回の考察から、市民団体に今後必要な能力に関する提言を紹介
プロジェクト管理、ニーズアセスメント、事前の災害対策 (マニュアルなどの準備)、広報・情報発信力など11の項目に分け説明
巻末資料・別冊資料集
アンケート集計といった調査結果などの参考資料 ほか
別冊資料集 (PDF:3,204KB)
アンケート集計データ (EXCEL:477KB) 


報告書 概要

書名 東日本大大震災 市民社会による支援活動
合同レビュー事業検証結果報告書~国際協力NGOの視点から
編集・発行 特定非営利活動法人「国際協力NGOセンター(JANIC)」
発行日 2014年5月26日
※8月7日からWEB版を公開(URL:http://www.janic.org/MT/pdf/eqreview.pdf
報告書の目的 日本国内および世界の人々が将来の災害の脅威に対してより強靭に立ち向かえるようになるため、東日本
大震災の支援活動にかかった市民社会組織(特に国際協力NGO)の教訓を問題と原因に焦点を当てて取り
まとめ、記録化すること
助成 Give2Asia
ページ数 151ページ


本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先
(特活)国際協力NGOセンター(JANIC)
TEL:03-5292-2911 FAX:03-5292-2912
E-mail:global-citizen@janic.org