
株式会社電通の社会貢献活動は『コミュニケーションの力を、社会のために』を基本方針に、様々な活動を行っています。
今回はNPO/NGOへの支援として「『伝えるコツを身につけよう』NPOのための広報スキルアップセミナー」の取り組みをご紹介します。お話は、社会貢献・環境推進部プロジェクト・マネージャーの中村優子さんに伺いました。
社会貢献部を立ち上げる前の2001年頃から、電通がこれからの社会的課題やNPO/NGOと協働して電通に何ができるのかを考えようと、いくつかのNPO/NGOと意見交換会を行っていたそうです。そこで浮き彫りになってきたのが、「NPO/NGOは非常にいい活動をしているが、その発信の仕方に悩んでいる。
」そこで、電通はコミュニケーションカンパニーらしい社会貢献活動として、広告コミュニケーションの業務を通じて蓄積したスキルをNPO/NGOの課題解決に役立てようと考え、「NPO広報力向上委員会」を立ち上げました。
この委員会はNPO/NGO関係者、電通関係者の両者で構成されています。
この委員会の最初の活動として制作したのが、広報活動のノウハウをわかりやすくまとめたハンドブック「伝えるコツーNPOの広報を考える15のヒント」です。このハンドブックは広告会社である電通の経験やノウハウをもとに、実際に活動しているNPO/NGOスタッフとのディスカッションを経て作成され、「考え方のヒント」、「手法のヒント」、「展開のヒント」の3部構成で展開されています。
内容はドリル形式で書き込みながら学んでいくことができ、例えば「自分たちはどういう団体なのか?どう見られたいのか?」を書き出してみたり、「相手による違いを考える」ために、団体を取り巻く様々なステークホルダーの声を図式化してみたりすることができます。
電通スタッフの方々にとっては、NPO/NGO関係者と初めて行う協働作業で、ちょっとしたカルチャーショックもあったそうです。「NPO の人と初めて打合せをしてNPOは何を大切にするかわかった。ミッションからくるんですね」という感想が、委員会メンバーである電通スタッフから出ました。またNPO/NGO関係者は、「会議でNPOの熱い思いをいっぱい詰め込んでしまう、整理できていない、などのNPOの課題を電通の委員会のメンバーは冷静にクライアントとして見て、それが「伝えるコツ」の冊子のヒントになり、本になった。同時に電通スタッフの熱い思い、やる気が伝わってきて、四つに組んでできるなと思った。」と語られていたそうです。
その後活動がセミナー開催に至っていく流れについて、「この冊子をNPO/NGOにお配りするだけではうまくいかないということがわかって、そのノウハウを伝えるセミナーを一度やってみたら、非常に好評だったそうです。」と中村さんは教えてくれました。そしてこのセミナーを継続して行うこととなり、特定非営利活動法人日本NPOセンターや開催地の中間支援組織の協力を得て、全国各地で開催しています。
セミナーでは、電通のクリエーターが講師を務め、ハンドブック「伝えるコツ」を教材にして、広報活動のノウハウを講義と演習の組み合わせで講習します。NPO/NGOのニーズに応えた実践的な内容で参加者からの評価も高く、全国各地のNPO/NGOより開催要望があり、開催地は順次拡大中です。これまでに延べ1500名以上のNPO/NGO関係者が受講しました。
中村さんは「いつもアンケートをとらせていただきますが、講師のおかげで95パーセントの参加者に『良かった』という評価をいただいております。『継続は力なり』と考えていますので、これからも地方巡業、頑張りますよ。」と話してくれました。

中村さんにNPO/NGOへの期待を伺うと、「パワフルな提言活動」いう答えが返ってきました。「社会の流れを読んで、言うべきときに的確な提言をしていって欲しい。今後は、新たなコミュニティとしてのNPO/NGOの存在が社会の中で大きくなると思う。そのときにNGO活動が『つらい苦しい』ではなく、『楽しくかっこよく』出来るものとしてそのプレゼンスを上げていってもらいたい。そこで電通がお手伝いできるところはぜひやらせていただきたいです。」