【内容】
2008年日本では、約2万4000人の外国人が強制送還された。労働目的のオーバーステイ(超過滞在)や人身売買被害者、在留特別許可や難民申請を何度も却下されあきらめた人々など、強制送還の理由はさまざまである。
私たちが普段ニュースで強制送還と聞いても、個々の送還者の例えば日本での生活状況や、彼らの本国の事情を思い浮かべたり、ましてや彼らが強制送還後にどうなるのか気にしたりすることはほとんどないだろう。強制送還と言っても、政治的主張や活動、社会的指向、思想や宗教の違いなどが原因で危険を感じて出国した人、国外にいる間に母国の政情が不安定化して危険になってしまった人、数十年も外国で暮らすうちに母国での生活基盤がなくなり帰国しても生活が困難と考えられる人、人身売買被害者、出稼ぎ労働者等々さまざまな背景がある。しかし私たちが情報を受け取る一般のメディアは、強制送還という同じラベルを貼って表面的に報道するだけだ。
退去命令を受けて自らの意思で、または無理矢理飛行機に乗せられ送り返される外国人たち。今月のNIは、彼らが母国を去った背景と、彼らの強制送還後の運命を報告する。
【目次】
1 国境に拒まれる人々(NI p4-5の翻訳)
報道されることのない強制送還者のその後。私たちはなぜ、彼らのその後を知る必要があるのか。
3 絶望の旅路(NI p6-9の翻訳)
政治活動家として受けた拷問の傷跡を抱えて英国にやってきたカメルーンのエマニュエル・ヌジョヤ。彼は政治難民として亡命を希望したが認められず、妻と1歳に満たない娘も強制送還されてしまう。そして、カメルーンで彼と家族を待っていたのは、あまりにも酷な現実だった。
9 新聞に載っていた男(NI p11-14の要約)
銀行員としてウガンダで何不自由もない生活を送っていたジョン・‘ボスコ’・ニョンビ。しかし彼は同性愛者で、身の危険を感じていたため、豊かな生活を捨てて英国に渡り、難民申請を行う。だが結局は英国入管の違法なやり方で強制送還されてしまう。最悪なことに帰国2日前、彼の強制退去の詳細が顔写真入りでウガンダの大手紙に掲載されてしまい、ジョンは同性愛者とのことで帰国早々ひどい目にあって投獄されてしまう。しかしその後、思いがけない展開が待っていた。
12 日本での動き
この3月、強制送還中にガーナ人が死亡し、5月には入管収容所で約70人の収容者がハンガーストライキを行った。これらの事件は何を問いかけているのだろうか。
●牛久入管収容所の現実 <牛久入管収容所問題を考える会>
●強制送還途中の不可解な死 <ASIAN PEPOPLE'S FRIENDSHIP SOCIETY (APFS)>
12 アクション! ─ 何かする・もっと知る
・日本の団体と参考ウェブサイト、本、資料などの情報。
14 今月のフォーカス(NI p24-25の要約)
●殺人者に狙われる職業
メディアで働くのが最も危険だと言われる4つの国のひとつ、ロシア。政府、財界、犯罪組織の隠された利害に光を当てようとするジャーナリストが命を落としている。ロシアでは何が起こっているのか。
15 世界のニュース(NI p29、30からの要約)
・母なる地球に手を出すな!(地球工学)
・カイロの政治弾圧(人権)
・ニュージーランドが軌道修正(先住民の権利)
16 編集後記、次号のお知らせ、ほか
*英語版の内容、日本版の一部立ち読みは次のページからどうぞ。
http://www.ni-japan.com/webold/jbody433.htm
★この号は、英語版、日本語版ともにJANICのNGO市民情報センターに所蔵されています。
http://www.janic.org/center/index.html
■New Internationalist(NI) & ニュー・インターナショナリスト日本版とは
1973年に英国の非営利団体(Oxfam、Christian Aid、Cadbury and Rowntree Trusts)の支援によって創刊した「NI(エヌ・アイ)」は、南の開発途上国と北の先進国の間に横たわる環境、貧困、紛争、人権、企業などにまつわる問題を広く世界に問いかけ、欧米主要メディアとは一線を画した本質を追求する月刊誌です。社会的弱者・草の根の視点から世界情勢を報道・分析しています。また、単に問題を伝えるだけでなく、未来を見据えて問題解決に取り組んでいる人々の動きやアイデアも紹介しています。「NI日本版」は、NIの記事の翻訳・要約を中心に構成し、日本の情報も加えて発行しています。
| 発行日 | 2010年6月30日 |
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