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(特活)メドゥサン・デュ・モンド ジャポン(世界の医療団) スタッフロングインタビュー前編


『医療の枠を超えて』 

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お話をうかがったスタッフの方

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 エフテル・プリュンさん(事務局長)

エフテル・プリュンさんからのメッセージ

 「国際協力に参加できる形はいろいろあるけれども、現地に自分のスキルを活かす時間がない
ときなどに、ぜひ募金を通して医療支援プロジェクトに参加してほしいなと思います」。

医療という名の枠を超えてさまざまなプロジェクトを展開させ、国際的に活躍している世界の医療団(メドゥサン・デュ・モンド:MDM、以下MDM)。今回は、MDM日本支部事務局長のエフテル・プリュンさんにお話を伺いました。


その病気が起こった原因や環境を変えていくこと

 MDMの始まりは、1980年。フランス人の医師が、インドシナからのボートピープルを助けたことがきっかけで生まれた団体です。その後、世界各国で活動の幅を広げ、日本に来たのは1995年、阪神淡路大震災の救援でのこと。その震災の2ヵ月後に、MDM日本が誕生しました。現在は、世界15ヶ国の事務局の下、多岐に渡る活動をしているそうです。MDMの第一の使命は、「治療する」こと。それは災害や紛争による疾病や外傷の治療だけではなく、医療システムの復旧やメンタルケアまで、すべての病と闘うことを意味しているといいます。
 「医療支援というとね、やっぱり病気の治療であったり医療物資援助を思い浮かべると思うけど、実は医療というのは入り口で、そこからいろいろなものが見えてくるんですね。医療を通して人権活動をすることもできる、提言をして法に訴えることもできる。医療問題だけを解決することが目的ではないんです。その病気が起こった原因や環境を変えていくこと。体も心も大事なんですね」とエフテルさん。そう語るエフテルさんに、最近のプロジェクトについて教えていただきました。

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ニジェールで無料で診察を受けている母子

コンゴのストリートチルドレンへの医療対策
 

  「世界の医療団のプロジェクトは、緊急支援から長期のものまで、それぞれに価値があるので、これが一番いいと言うことは言えないんですけど、最近、私自身も現場に行ったことで、すごく身近に感じるのは、コンゴのストリートチルドレンへの医療対策です」。そうエフテルさんは言います。「コンゴでは、10年くらい前から5歳から15歳のストリートチルドレンを対象に無料の医療支援を行ってきたんです。でも、それだけではなく、たとえば食事を配給したり職業訓練の場を作ったり、特に小さな子供には元の家族の場所へ戻れるように支援をしているんです。最近は、特に女の子を対象としたプロジェクトを始めました。というのも、男の子に比べると女の子の方がリスクが高いんですね。支援がなければ、自分の体を売って生活していくしかなくなってしまう。そうすると、エイズや性病にかかる可能性が高くなる。そのリスクを減らすために、女の子へのプロジェクトを始めたんです」。まさに、医療だけでは終わらないプロジェクト。医療問題の背景にある問題に取りかかる世界の医療団だからこその活動です。

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コンゴ・キンシャサ                     コンゴ・キンシャサ 
ストリートチルドレン向けの啓蒙活動          10代の子どもと自分の赤ちゃん

 

  MDMは、オブザーバーとして国連に参加できる、国連経済社会理事会での総合資格を持っています。それは、「証言すること」という第二の使命があるからです。「国連のステータスを得たことで、アドボカシー(提言活動)が活発になりましたね。証言することで、世界の弱い立場にいる人の声を届けることができるんです。その一つの効果として、医療費のことがあります。途上国には、貧困の下で暮らしている人がたくさんいます。彼らに医療費を払う余裕はないですよね。自分の生活で精一杯だったら、誰でもそうなります。だからこそ、医療費を削減すべきだと、北海道で行われたサミットで働きかけたんです」とエフテルさん。G8洞爺湖サミットの提言に医療費削減が入っていたのは、その働きかけの効果だそうです。証言は政策を変え、問題の原因や環境を変えることができるのです。

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コンゴ・キンシャサ
路上で寝ている赤ちゃん(写真:Jacky Naegelen)

意味のあるプロジェクト

 MDM日本を、わずか5人のメンバーで切り盛りしているエフテルさん。事務局長としての業務も普通の業務も同時に行っているそうで、たとえば一般からのボランティア希望の方の窓口となるのも、エフテルさんの業務だといいます。けれど、仕事が楽しい!と、MDM日本支部の魅力を、こう伝えてくれました。
 「とってもアットホームだということはもちろんなんですけど、強いて言うなら、現場でのプロジェクトの質と意識の高さですね。毎回、現地に行くたびにプロジェクトの質は向上しているし、仕事をしているスタッフの意識も高まっていることに驚きます。私たちの支援活動は、他の誰もやっていない分野が多いので、私たちがいかなければもう誰もいない状況なんですよね。だからこそ、影響力があって、変化が生まれて、意味のあるプロジェクトになるんです」。

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エフテルさん、東京の事務所にて


<インタビューを終えて>

 「世界の医療団」。その名称から、勝手ながらメディカルケアが中心の活動を想像していました。しかしそのイメージと大きく異なり、MDMの考える「治療」という言葉には、外傷の治癒のみならずシステム全般やメンタルケアといった広義の意味合いが込められています。そのきめ細やかな、かつ表面的でなく根本的な支援を目指す体制に、とても心惹かれました。「人が暮らす場所」に、異国であるかないかなど関係はない。そして、本当に必要なものは何なのか。私自身が国際協力に漠然とした憧れをいだきはじめた頃の、大切な思いを思い出せてもらえたように感じます。
(JANICユース 副代表 渡辺もえ)
JANICユース http://www.janic-youth.org/(新しいウィンドウが開きます。)

[インタビュアー]
国際協力NGOセンター有志グループ(JANICユース)
代表 小堀 優井、副代表 渡辺 もえ
広報チームリーダー 石下 由加、総務チームリーダー 吉野 宮奈
マネジメントチーム 小松崎 瞳(編集)


 




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