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はいいいえ

(特活)ICA文化事業協会 スタッフロングインタビュー前編

『人は最大の資源である』 

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お話をうかがったスタッフの方


海外事業担当 佐藤 奈緒美さん

佐藤さんからのメッセージ

 「募金という方法を通じて、募金した本人も支援プロジェクトに関わっているんだということを理解してもらえたらうれしいです」。

 "人間は地域及び組織最大の資源である"という理念と、世界中30ヶ国にひろがるネットワークを持つICA文化事業協会(The institute of Cultural Affairs; Japan Global Partnership Center; ICA、以下ICA)。今回は海外事業担当の佐藤奈緒美さんにお話を伺いました。

人と人とがどう助け合っていけるか

 ICAの起源は、1960年代のアメリカにあります。「あるアメリカの白人牧師がシカゴにある黒人コミュニティーに入ったら、人種の違いによって、会話やコミュニケーションがほとんど出来なかったという経験をしました。その時に、お互いに意思疎通を図るための参加型のワークショップが生み出された、それがICAの活動のきっかけです」と佐藤さん。
 人と人とがどうやったらコミュニケーションが取れるのか、という思いをもとにスタートした団体なのです。

メインは現地の人の意見

 現在は、ベトナムでの環境教育プログラムや、メキシコでの母と子の生活改善プロジェクト、ケニアでの植林事業など、アフリカ・アジア・南米をはじめとする世界中で活動を行っています。
 現地の人のニーズのあるところを支援するため、支援場所は各国の状態を見ながら変わり、プロジェクトの内容もさまざまです。その中で変わらないものは、「現地の人の意見や考えをメインにする」方針だといいます。プロジェクトを行う際は、基本的に現地調査で現地の人のニーズを把握し、一度日本に戻って熟考、それからもう一度現地に行くというステップを必ず踏んでいるのだそうです。


ニーズ調査は、現地の10代~60代までを対象として行います

違う視点から

 2010年はICAにとって、自然災害での幕開けでした。年が明けてから、ハイチ、チリ、中国で連続して地震があり、緊急支援活動を行っています。今回佐藤さんは、ハイチでの支援活動について話してくれました。

 「1回目に2人の職員がハイチに向かったのは、2月上旬のことでした。現地に着いてからは、1,140世帯に食料を配布しましたね。しかし、支援物資のゴミが悪臭を放っていたり、トイレや水などの保健衛生が整わずに状況を悪くしていたり、余震によるトラウマで敢えて外で避難生活をする人が大勢いたり。ともすると他の支援団体が物資配布に夢中になってしまいがちな中、そういったことはハイチでは盲点のように思えました」。

 その盲点を埋めるために、2回目の救済としてハイチに再度職員の方が向かい、今も活動中だといいます。「今は、特別養護施設での支援を行っています。もちろん、物資を与えるだけという状況を避けることも大事なことですが、働けない人がたくさんいるのもまた事実です。老人であったり、親を亡くした子どもであったり。ICAでは対象を決め、支援を行っているんです」。

被災生活 養護施設
震災から3ヶ月たっても、被災生活を送っている
崩壊した養護施設の患者たちは野外で
被災生活を送っている
適するものと適さないもの

 もちろんICAには、継続的に支援しているプロジェクトも多くあります。その1つが、2006年から始めたケニア南部での農業プロジェクトです。
 「ケニア南部には、昔から遊牧生活を送るマサイ族がいます。でも政府の保護区拡張整備により生活範囲が限られ、定住化に向かいつつあります。そこで定住しても生きていくために、持続可能な農業プロジェクトを行うことになったのです」。

 しかし、マサイ族の人々には農業経験がないうえ、この地は雨が降らない乾燥地帯。どうやって、そのような中でプロジェクトを進めたのでしょうか。答えは、地道な研修と水の確保にありました。

 「地域的に雨が降らないこともあって、貯水池を作ることになりました。ケニア東部で成功していた直角型貯水池を作ったのですが、実は2年目に崩れてしまったのです。東部で成功した貯水池も、南部のほうが土が固く質が違いました。おわん型のほうがデザイン的に適していたのです。同じ国とはいえ、適するもの適さないものがあるのですね。これも現地の人の助言があり改善に向かっています」。
 貯水池が出来てから3年間も雨が降らなかったのですが、2009年の末にようやく雨が降って、今はフォローアップの事業を行っている最中だそうです。


ケニア事業地(カジアド県)の村にて設置した貯水池

彼らの文化

 また、こんな面白いディベートもあったといいます。
 「あるとき、マサイ族への農業支援プロジェクトは、彼らの文化を壊すんじゃないかという指摘があったんです。でも、まずは食べ物がなくなる状況でそんなこと言ってられなかった。それに、現地で彼らに接すればわかることですが、そもそもプロジェクトで壊れてしまうほど、彼らの文化は弱くないんです。マサイ族という誇り高い自然共存型の文化は農業をはじめても残るのです。」
 現地に密接に関わるICAだからこそ、判断できることなのかもしれません。


気候変動研修のあと、苗木を植林するマサイ族の女性

コミュニケーションの力

 ICAだからこそできることは、何ですか。そう尋ねたところ、佐藤さんからICAの人ならではの答えが返ってきました。
 「コミュニケーションに、ツールを使うことです。ICAでは独自のワークショップ手法があり、これは現地調査の後、プロジェクトの計画をつくるときに使われます。例えば、50人いたら50人の意見がありますよね。その意見のいいところをまとめていく。この作業には、50人全員が関わります。このたくさんの意見が出てくる過程が、ICAのユニークなプロジェクトを生み出すんです」。
 自分たちで決めていくのではなく、現地の人の意見をきき、また選択権を持ってもらうこと。それは"人は最大の資源である"という、ICAの人間中心の理念を反映しています。

研修 ワークショップ
参加者が長所・短所を確認し、事業のチーム
活動で活かす研修(パーソナルスタイル)
「マサイの文化と農業」というワークショップ
を実施した時の模様


<インタビューを終えて>

 "人が最大の理念である"というICA文化事業会。明るい人柄の佐藤さんの話し方から、世界各地にある拠点で現地の人と楽しみながらプロジェクトを作り上げていく様子が目に浮かんできました。
(JANICユース 総務チームリーダー 吉野宮奈)
JANICユース http://www.janic-youth.org/(新しいウィンドウが開きます。)


[インタビュアー]
国際協力NGOセンター有志グループ(JANICユース)
総務チームリーダー 吉野宮奈
広報チーム      権 智娜

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