『緑を残していくということ=未来を守るということ』
お話をお伺いしたスタッフの方
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| 岡本敏樹さん (代表理事) |
現場を渡り歩いて、緑のサヘルへ

「見渡す限りテントが立ち並ぶ
難民キャンプには、約2万人の
難民が生活しています。」
「緑のサヘル」の代表理事、岡本さん。実は、まだ40歳前。国際協力に携わるきっかけは何だったのでしょうか。その生き方、そして熱意をお話頂きました。
「私自身、大学で勉強していたものは国際協力や国際関係学とは遠く離れていたんですよ。ただ、大学4回生になった時に大学院にこのまま進んでいいのかどうか迷って、最終的にたどり着くところは大学院でも、その前に寄り道してもいいんじゃないかと思ってたら、学内の掲示板で青年海外協力隊の募集案内を見つけたんです。「食べる」という、一番基本的なところに関わりたかったので、セネガルで3年間、野菜隊員として農業に関わりました。それでその後大学院に戻ったんですけれど、何か違うなと。そこで今までの経験の中で、何が楽しかったかなって思ったら、村を回っておじちゃんやおばちゃんと話すのが楽しかったなと。それで、『あー、この道、自分に合ってるのかもなぁ』って思うようになって。でもまだ3年間の経験じゃNGOでは使い物にならないと思って、何かないかなと思ってたら、また学内の掲示板で在外公館派遣員の募集を見つけて。『ザイール、どんな国だろう』と思って応募したら、通っちゃった(笑)。でも行ったらクーデター騒ぎに巻き込まれて、2年の予定が半年くらいで日本に戻っちゃったんですよ」。それで面識のあった緑のサヘルの事務局長である菅川さんに相談したところ、職員に誘われたのだそうだ。1997年から現地のコーディネーターとなり、2001年9月末までチャド勤務。その後帰国し、肉親の不幸により退職。2004年にUNHCRの難民支援担当者として復帰し、現在は緑のサヘルの代表理事に就いている。
キャリアを振り返り終わり、そっと一言。「やっぱり私って協力隊から始めてるんで、現場の人間なんですよね。現場の方の感覚を無くしちゃうと、語る話にも新鮮さがないし現状にも添わなくなってくる。代表理事という立場でも、現場には関わっていきたい。」。
チャドの人々との、絆

岡本さん
岡本さんが、今までで一番大変だったことは何だったのでしょうか。「コミュニケーション不足ですかね。十分にローカルスタッフと通じ合わないままに、仕事を始めてしまったり。語学力的な不足というよりも、人間性を問われる局面がコーディネーターには多いから。きつかったですね。一から話し合って、解決には時間はかかりましたけれど。人間関係の作り方って、日本人だろうが何だろうが、変わらないんですよね」。
併せて一番嬉しかったことも伺うと、「例え自分が植えたんじゃなくても、携わった期間に植えられた木がこんなに大きくなったぞとか、作られたカマドをまだ使ってるぞといわれたときが、一番嬉しいですよね。残ってるというか。あと、たとえ2・3年間があいてもチャドに行くと、また来たのか、おい、みたいに言われたり」。
嬉しかったことも、大変だったこともコミュニケーション。「チャドの方が、多分人脈はあるかな...。知り合いがいるっていうのは、大きいですよね」と呟かれた裏に、チャドの人々との暖かい絆が見えた気がしました。
![]() 「難民キャンプで消費される薪の量を 減らすため、 作製の容易な粘土製 改良カマドを普及しました。」 |
![]() 「別の難民キャンプでは、空きドラム缶を 利用して作製した金属製改良カマドを 普及しました。」 |
マラリアと見る果てのない夢
実は、岡本さんには妙なペットがいます。「マラリアを、十数回やってますから。もう体の中に飼ってます。疲れが溜まると出てくるんですよ」。そのため、体力的に現場にあとどれくらい関われるか分からないとのこと。
それでも、岡本さんの夢は尽きない。まずは、日本の夢。「緑のサヘルの規模はそのままで、会の安定化を図ることかな。慢性的金欠なので、何とかしたいなと。一番気にかかるのは、人件費。日本のスタッフも生活が安定するように実効性の高いやり方で活動していきたいですね」。そして、現地の夢。「日本人スタッフがいなくなっても現地で自然発生的に自覚的な団体ができて、取り組みが続いていく状況をつくりたいなと。元々住んでいるところで、現地の人たちが住んでいけるような」。
そして少し、"寄り道"もしてみたいそうです。「例えば、家畜飼育にトライしてみたい。環境保全の中では弊害が強調されているんだけど、排除してたら何も出来ない。現地の人たちにとっては、生計の一つですから。もっと多面的な生活保全がしたい。環境保全が生活保全で、生活保障。そういう感じで」。日本への思いも、現場への思いも、マラリア原虫がいても、果てないのです。
国際協力を目指す若者へのメッセージ
最後に、国際協力を目指す若者に、岡本さんからメッセージを頂きました。「どこかのタイミングで、現場に触れる機会があったほうがいい。実際に国連組織や海外のNGOの現場を、半年でも1年でも経験しておいたら、見方が変わる」。現場で育ち、現場に生きるがゆえのお言葉です。
インタビュー編集後記
この業界には大御所の方が沢山いるから、私から若者へのメッセージなんて申し訳ない。そうさらっと仰る岡本さん。できそうでできないような難しい支援を、さらりとやってのける術の一端を拝見させて頂いた思いです。ぜひ、ご支援をお願いいたします。
(JANICユース 代表 小堀優井)
JANICユース http://www.janic-youth.org/(新しいウィンドウが開きます。)
JANICユース 代表 小堀優井
同マネジメントチーム 伊藤彰子
[編集協力]
同マネジメントチーム 小松崎瞳




