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「市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS)設立シンポジウム」(6/5)開催報告

JUL.20.2018

「市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS)設立シンポジウム」(6/5)開催報告

2018年5月1日に「市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NGO Action Network for Civic Space:NANCiS)」が設立されました。このネットワークは、国際協力NGOの活動が特定秘密保護法や安全保障法制、共謀罪法など日本国内で近年進む安全保障環境の悪化や治安維持を理由とした政府の管理強化により阻害されることのないよう備えること、行政による市民活動への介入や圧力、さらにはヘイトスピーチなどに見られる排外主義的な言論や社会の雰囲気によってNGOが委縮しないよう市民社会スペースに関わる問題性が社会に提起されることを目的としています。JANICは、全国7つの地域ネットワークNGOと共にNANCiSの構成団体を務めています。

6月5日には、NANCiS設立記念シンポジウム「市民社会の自由が地球の未来を拓く!」を開催しました。第一部では、NANCiS コーディネーターの西井和裕氏(名古屋NGOセンター理事)より設立のご報告と趣旨を説明いただき、賛同する各界の代表からご挨拶いただきました。


その後、NANCiSの前身である「秘密保護法NGOアクションネットワーク(NANSL)」と協定を結んでいた秘密保護法対策弁護団及び共謀罪対策弁護団とNANCiSの間で新たに協定書を取り交わす調印式が行われました。この協定書には、「特定秘密保護法の施行によって、NGOおよび市民社会にもたらされる恐れのある不利益に対し、適切に対応するために提携し、相互に協力すること」や特定秘密保護法違反でNANCiS構成NGOや職員が検挙された場合は弁護団が弁護を行うことなどが盛り込まれています。

第二部では、秘密保護法対策弁護団の海渡雄一弁護士からのビデオメッセージもいただき、NANCiS共同代表谷山博史氏(JANIC理事長)と佐々木寛氏(新潟国際情報大学教授)から基調講演がありました。谷山氏は、「世界・日本の現状と市民社会スペースの重要性」と題し、NGOの開発効果や持続可能な開発目標(SDGs)「ゴール16(平和と公正)」及び「ゴール17(パートナーシップ)」など国際的な議論の中で、市民社会スペースの確保が取り扱われていることを紹介しました。海外からの資金規制やNGOへの中傷など世界で起きている課題と、沖縄の反基地運動に対する弾圧や市民団体・NGOに対する会場使用拒否、共謀罪などの政策批判を行うNGO関係者に対する地方議員や地方行政からの警告などの圧力、NGOの紛争地等への渡航規制など、日本で起きている課題をつなげて考えることの重要性を訴えました。続いて、佐々木氏より、「日本の政治と市民社会スペースの狭隘化」と題した講演があり、「市民社会」という言葉の歴史的変遷が紹介された後、グローバル化と消費社会化の結実として市民社会スペースの狭窄化が進んでいる、と指摘されました。個々人をつなげる、コミュニティを再生させる、民主主義を前進させるための要素として市民社会スペースを考えるべきである、と結ばれました。

 

続いて、JANICから、ドイツに本部を置く国際NGO「国際市民社会センター(International Civil Society Centre)」が作成した、民主主義の強化や人権保護、公正で平和な社会の構築に向けて、公的な立場にある人々がその責任を果たすよう働きかける地球規模の枠組である「市民憲章(Civic Charter)」の日本語版が完成したことを報告しました。「市民憲章(Civic Charter)」では、「1.表現の自由」「2.情報アクセスの自由」「3.集会の自由」「4.結社の自由」という4つの権利を尊重・保護・推進し、差別なく世界中どこでも全面的に実施することを求めています。また、すべての人々がこれらの権利を行使するために、「5.効果的な参加」「6.財政的支援」「7.協力の機会」が保障されなければならない、としています。また、人々の間での協力を保障するために、政府や公的機関は、「8.保護する責任」「9.政策環境」「10.開かれたアカウンタビリティ」を順守しなければならない、と定めています。

最後に、フロア・フラットトークでは「今、市民社会スペースを語ろう!」と題し、世界各地や日本国内の様々な地域で活動するNGOや市民団体のみなさんとの活発なトークが展開されました。ヘイトスピーチを発する人々がなぜそうなったのかを考えることが重要であること、SDGゴール16に掲げられている平和と公正に反する事態が日本国内で起きていることを政府に提起すべきであること、市民社会スペースの縮小の原因として権力の集中という問題を考えるべきであること、NANCiSの運動を盛り上げるために先ほど紹介された「市民憲章」をうまく活用すべき、などの意見が出されました。

本シンポジウムを通じて、市民社会スペースの課題を広く共有すると共に、この課題に取り組む市民団体・NGOおよび弁護士との連携強化につなげることができました。

NANCiSでは、今後も賛同団体を募集しています。ご関心のある団体は、JANICまでご連絡ください。現在、NANCiS構成団体は7団体、賛同団体は25団体です。

NANCiSに賛同団体として参加することで、以下の活動を行うことができます。
①市民社会スペースに関わる問題意識を広く社会に表明できます。(団体名非公表も選択可)
②市民社会スペースへの脅威によって国際協力NGOが被る影響に関する情報が入手できます。
③市民社会スペースに関わる問題に関する情報共有や学びの場に参加できます。

NANCiSへの参加メリット
①会費や運営業務の分担など、特別な負担は必要ありません。
②各団体での学びや対応に必要な人材、情報、知見などをご紹介できます。
③各団体で市民社会スペースの問題に関して不測の事態が起きた場合、専門家も交えた支援が受けられます。

お問合せ先
(特活)国際協力NGOセンター(JANIC)
市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS)事務局担当
東京都新宿区西早稲田2-3-18アバコビル5F
TEL:03-5292-2911 FAX: 03-5292-2912 advocacy@janic.org

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