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ジュネーブでの国連防災会議に参加

ジュネーブでの国連防災会議に参加、 東日本大震災の教訓と提言を世界の防災に役立てる!

2013 年5 月19 日~23 日、スイス・ジュネーブで開催された防災グローバルプラットフォーム会議(GPDRR)に、東日本大震災の被災地で活動した日本のNGO と福島県の有機農家が参加し、市民社会として得た教訓と提言を国際社会に訴えました。

【防災グローバルプラットフォーム会議(GPDRR)とは】

防災グローバルプラットフォーム会議(GPDRR)とは、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)が主催して1994 年以降2 年に一回開かれている会議で、今年で第4 回目を迎えます。

世界で唯一の防災指針となっている「兵庫行動枠組」が2015 年に期限切れを迎えるため、同年、日本で開催が決まっている第3 回国連防災世界会議でその後継枠組が決まる予定になっています。今回はそれに先立つ最後の重要な会議で、世界171 ヶ国から各国代表者、国連・地域機関、研究者、NGO関係者等による3,500 人以上の参加があり、そのうち1割(370人以上)がNGOからの参加でした。GPDRRは国際会議の中でも市民社会セクターを含むマルチセクターの参加が公式に認められている極めて稀な会議で、「市民社会セクター」が3つの全体会のうちの一つを占めていました。また、それ以外にも170に及ぶサイドイベントや非公式全体会が執り行われました。
・大会プログラム http://www.preventionweb.net/files/32569_en.pdf
・議長声明 http://www.preventionweb.net/globalplatform/2013/news/view/33306

【日本のNGOが参加する理由は?】

東日本大震災以降、非常に多くのNGO/NPO やボランティア団体が東北の被災地で活動し災害支援の主要な役割を担いましたが、残念ながらその知見は世界ではほとんど共有されていません。また、原発事故との複合災害による被害の実態も十分に伝わっているとは言えません。多くの方々が犠牲になった東北での経験を、国境を越えた防災・減災につなげていくためにも、今から2015 年の国連防災世界会議までの期間が非常に重要だと言えます。

【会議で日本のNGOはどんな役割を果たしてきたの?】

今回、日本のNGO として参加したのは、国際協力NGO センター(JANIC)、CWS(Church World Service) Japan、ピースボートの3団体の代表者ら。

代表団は、日本の22 のNGO 代表者らとまとめた東日本大震災での世界と共有すべき教訓や提言をサイドイベント等で発表し、GNDR およびマルガレッタ・ワルストローム国連副事務総長(防災担当)に提出しました。また、実際に原発事故に見舞われ、地域で震災支援・復興支援活動を担われた二本松市東和地区のNPO「ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会」副理事長の武藤一夫(いちお)氏も、原発震災以降の経験をもとに、サイドイベントなどで報告しました。JANIC としては、福島での経験に基づき、「原発事故におる放射能漏れを、類を見ない深刻で長期にわたる新しい災害としてはっきり認識し、対応を準備すべき」という主張を行いました。さらに海外のNGO ネットワーク組織であるInterAction(米国)、Bond(英国)、Voice(欧州)、GNDR(世界)(注:1)と共同で、2015 年に採択予定のポスト兵庫行動枠組にむけた提言を行いました。

(注1:「市民社会による国際防災ネットワーク(Global Network of Civil Society Organisations for Disaster Risk Reduction: GNDR)」は、草の根の人々の声を国際的な防災指針に反映させる事を目的に2007 年のGPDRR 会議で設立された世界的な市民社会のネットワーク組織です。)

【会議中にJANICが実施したこと】
  1. 3つのサイドイベントを通じた日本の教訓と提案の共有
  2. 各国のネットワークNGO組織(GNDR, InterAction, bond, VOICE, JANIC)との協議および共同声明文の発出
  3. 各国のNGOネットワーク組織(上記)と各国政府代表団(9ヶ国)との合同協議
  4. マルガレータ・ワルストロム国連事務総長特別代表(防災担当)との面談
  5. 市民社会全体会議への参加や発言 など

今回はこれらの活動を通じて、日本の市民社会の声を国際社会と共有しました。

今後JANICは、2015年に日本で開催される予定の第3回国連防災世界会議を見据えて更に議論を進化させていくプロセスを進めていくほか、海外のネットワーク組織との共同関係もこれに向けて進展させていきます。

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