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国際的な市民社会の防災協力ワークショップ

国際的な市民社会の防災協力ワークショップ
防災・地震と言えば、なまず。ワークショップ中の一コマ

「世界の人々と協力して災害に強いコミュニティづくりを目指そう」

 東日本大震災の支援にあたって、日本は世界中の人々から支援を頂きました。その恩返しの意味も込めて、地球市民社会の一員として、貴重な経験を世界の人々のために役立てるには、日本での自然災害に関する経験や教訓を世界に発信していくことも有効です。

 そこで、グローバルな市民社会による防災・減災の取り組みに日本の市民社会が関わり、貢献できる方法を参加者と共に考える場として、JANICではワークショップ「国際的な市民社会の防災協力ワークショップ~世界の人々と協力して災害に強いコミュニティづくりを目指そう~」を2012年9月20日に東京にて開催しました(共催:チャーチ・ワールド・サービス)。(当日のプログラムはこちら

目的:市民による世界的な防災・減災の取り組みに、日本の市民社会が参加していく方策を探る
    ①国際的な市民社会の動きを知る
    ②日本の市民社会の参加の方策について意見交換する



【背景・趣旨】

 2005年、神戸で開催された第二回国連防災世界会議で、現在でも国際的な防災・減災の枠組としては唯一のものとなっている、「兵庫行動枠組(HFA: Hyogo Frameworkfor Action)」が採択されました。これを契機として、2007年7月にジュネーブで開催された第1回国連国際防災戦略事務局(UNISDR)防災グローバルプラットフォーム会合では、「地球市民社会の防災ネットワーク(GNDR: Global Network of Civil Society Organizations for Disaster Reduction)」が設立されました。

 これまで、GNDRは「市民の声(VFL: Views from the Frontline 2011)」というアクションリサーチ手法を用い、世界80カ国の500を越える市民団体、NPOの参加を得て世界中の市民から声を集め、それを国や地域の防災・減災の取り組みや計画に反映させる取り組みを行ってきました。そして、GNDRは、2015年に日本で開催が予定されている第三回国連防災世界会議で採択される見込みのポスト兵庫行動枠組に、国際的なネットワーク活動を通じて市民社会の声を反映させる役割を担っています。

 東日本大震災は、私たちに大きな痛みと共に多くの教訓と課題も残しましたが、それらを世界中の市民社会の人々の声へ反映させることに、高い期待が寄せられています。そこで、東日本大震災復興支援において活躍した団体関係者が東京に集い、今後の国際的な防災枠組(2015年に採択される見込みの「ポスト兵庫行動枠組」)に、日本の市民社会として貢献する方法を共に考えることになりました。

【当日の様子】

GNDR_workshop.jpg  登壇者には、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)駐日事務所代表 松岡由季氏、地球市民社会の防災ネットワーク(GNDR)代表 マーカス・オクスレイ氏、アフガニスタン・イスラム共和国地方復興開発省大臣シニアアドバイザー グラム・ハイダー氏、(特活)さくらネット代表理事 石井布紀子氏をお招きし、前半は講演会形式でそれぞれの知見を共有いただきました。

 後半はワークショップ形式で参加者の皆様とともにブレインストーミングを実施。課題も多くみられる現行の「兵庫行動枠組」に対して、2015年に策定される「ポスト兵庫行動枠組」にはどのような内容が盛り込まれるのが理想か、また日本の市民社会がグローバルなネットワークに参加していくことの意義や方法について話し合いました。。

 このワークショップを通じて、日本の市民社会としての経験を国際社会と共有していくべく、今後に向けた多くの課題やアクションアイテムが25団体・約30人の参加者の皆様方の間で抽出されました。これを最初の一歩として、今後のプロセスにつなげていくために、チーム体制・方法・スケジュールに関する具体案を現在取り纏め中です。

【兵庫行動枠組(HFA)について】

●「兵庫行動枠組(HFA)」とは、国際的な防災・減災の枠組みとしては唯一のものです。2005年に神戸で開催された第二回国際防災世界会議で採択されました。
 兵庫行動枠組の骨子(簡易版):
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/kikan/kosshi.html
 兵庫行動枠組の全文(暫定仮訳):
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/kikan/pdfs/wakugumi.pdf

【地球市民社会の防災ネットワーク(GNDR)について】

●HFAの採択をきっかけに、2007年7月にはジュネーブで第1回国連国際防災戦略事務局(UNISDR)防災グローバルプラットフォーム会合がもたれました。その際に設立されたのが「地球市民社会の防災ネットワーク(GNDR)」です。

●GNDRは、世界中の市民から声を集め、それを地域・国・世界の防災・減災の取り組みや計画に反映させるべく取り組んでいます。 GNDR概要: GNDRヘッドライン(日本語版)

●GNDRは、2015年に採択予定の「ポスト兵庫行動枠組」にも、市民社会の声を反映させる役割を担っています。